歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年02月08日(金) 皆勤賞を目指す子供

昨年、僕は下のチビが通っていた幼稚園のPTA会長をしていたのですが、任期最後の仕事が卒園式への出席でした。卒園する園児や保護者に挨拶をしたのですが、僕が出席した卒園式の中で印象に残ったことがありました。それは、3年間の幼稚園生活で一日も休まず出席しつづけた、皆勤賞の園児がいたことです。皆勤賞に該当する園児は一人だけで、名前が披露され、園長から直接表彰状が本人に手渡されました。いくら幼稚園児とはいえ、3年間で一度も欠席しなかったことは大したものだと感じたものです。
僕の幼稚園時代を振り返るに、肉体的にも精神的にも軟弱でしたから何回も幼稚園を休んだものです。むしろ、自分では大したことを感じなくても親が休ませるということであれば、幼心ながらに“ラッキー”と思い、喜んでいたものです。

先日、嫁さんから聞いた話では、嫁さんの友人の子供にも皆勤を目指している子供がいるのだとか。子供の皆勤と聞くと、保護者である親の意向が影響しているように思いがちですが、その子供の親は全く皆勤に対して執着心はなく、無理をしてでも幼稚園には行かせないと考えている人なのだとか。皆勤に対して執着心があるのは子供の方だというのですから驚きです。たとえ、風邪をひいてお腹の調子が悪くても、怪我をしていても幼稚園には絶対に行くと言って聞かないのだとか。親が幼稚園を休ませようとでもするようなら、泣き叫び、“今日も幼稚園だけは絶対に行くからね”と言いまくるのだそうです。

思い出せば、僕の高校時代にも皆勤を目指していた友人がいました。誰か好きな彼女がいるとか、勉強が楽しいとかクラブ生活に邁進するとかいったことは全く無かった友人でした。特に成績が良いとかスポーツが得意であるというわけでもありませんでした。けれども、学校を出席し続けるということに関しては非常なこだわりがあったようで、体調がわるくても這ってでも学校へ通い続けておりました。結果的に、彼は皆勤賞を取り、卒業式の際、皆の前で表彰されました。彼の顔は自分の目標を達成した満足げな顔をし、目には涙を浮かべていたのが今にも僕の脳裏に焼きついています。

僕自身、幼稚園時代だけでなく、その後の小学校、中学校、高校、大学生活を通じて皆勤は全く無かった身だけに、皆勤はなかなかできるものではない、立派なことであることはわかるのですが、どうして皆勤にこだわるのかまではよくわかりません。ただ、人にはそれぞれの価値観があります。皆勤というものに生きがいを感じる価値観を持つ人が世の中には確実に存在する。そのことはどうも確かなようですね。


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