昨日、いつもうちの歯科医院に出入りしている歯科材料店の担当者が僕にある紙を渡しました。
「先生、遅くなって申し訳ありませんが、昨年末に先生が言われていたものの見積書が出来上がりましたのでお持ちしました。」
“一体何だったかな?”と思い、担当者が言う見積書を見たところ、僕は思い出しました。その見積書とはある器具の見積書でした。その器具とはタービンと呼ばれる切削器具のパーツの一つでした。
タービンというのは、歯を削る際に高速回転で歯を削る器具のことです。“キィーン”という高い音で鳴る器具で、歯医者の代名詞とも言える切削器具です。歯医者であれば毎日の診療で使わない日は無いというくらい必要不可欠な器具で、うちの歯科医院にも診療台に備え付けられています。このタービンですが、この写真のように頭の部分が取り外しできるようになっています。この部分をタービンヘッドといい、タービンの心臓部ともいえるパーツです。
昨年末のことでした。タービンを使用しながらある患者さんの歯を削っていると、僕は不自然な挙動を感じました。その瞬間、タービンの回転が遅くなり、歯を削ることができなくなったのです。これは明らかにタービンヘッド部分の異常でした。その場は、別のタービンヘッドと交換して何とか患者さんの歯を削ることができましたが、治療終了後に調べてみると、明らかな内部構造に何らかの問題があるように思えました。これは僕では手に負えない。そう思った僕はうちの歯科医院に出入りしている歯科材料店の担当者を通じ、タービンヘッドの点検と修理の見積もりを出してもらうようにお願いしていたのです。
年末に見積もりをお願いしていたため、実際の見積書は昨日届いたわけですが、見積書に書かれていた金額を見て僕はびっくりしました。およそ○万円。見積書に書かれていた内容を見てみると、タービンヘッドは長年の仕様によりかなりへたっていたようで、かなりのパーツが交換したり、新調したりしないと使えないようになっていました。担当者からも説明を受け、修理及び修理にかかる経費については納得せざるをえませんでした。できるだけ修理費を安くあげられれば、それにこしたことはないのですが、信頼できる品質のものでなければ、安心して患者さんに用いることができません。そのことを考えると修理費を必要以上に節約するのは後日、患者さんに迷惑をかけることになりかねません。僕はほぼ見積書に書かれていた修理費で修理をお願いせざるをえませんでした。
今回の修理費は、新品のタービンヘッドよりは若干安い修理費ではありましたが、それでも決して安くはない修理費です。歯科で用いる器具は消耗品が多いものですし、何かと器具に要する経費はかかるものですが、それにしても、年明けのこの時期に想定の範囲外の出費を負担せざるをえないのは、痛いのが正直なところ。青息吐息のうちの診療所としては、年明け早々かなりきつい出費となりそうで、つらいものがあります。
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