歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年01月10日(木) 盗難歯医者仕様デジカメ

最近、歯科医院をターゲットにした窃盗事件が後を絶ちません。僕が所属する地元歯科医師会の警察歯科医の先生の話によれば、昨年一年間で僕の地元市では10数件の歯科医院が窃盗に被害に遭ったとのこと。特に、夜間や休日誰もいなくなるテナント開業の歯科医院がターゲットにされることが多いようで、これまでも念には念を入れた防犯対策に努めることが大切であるという説明が何度もされていました。

窃盗で盗まれた物はほとんどの場合、持ち主の元へ戻ってくることはないそうですが、昨日、地元歯科医師会から送られてきたファックスには必ずしもそうではないことが書かれてありました。

某窃盗事件で被疑者自宅から押収したデジタルカメラが押収されたとのこと。そのデジタルカメラはC社製の一眼レフデジタルカメラだったそうで、マクロレンズ、リングストロボ付き。カメラにはメモリーカードが内臓されており、歯や口の中の接写写真が多数記録されていたというのです。どうも歯科医院からの被害品と思われるので持ち主と思われる先生は連絡をして欲しい。

ファックスにはカメラの型番や製造番号も書かれていましたが、デジタルカメラの仕様を見るだけで歯科医院からの盗難品であることが一目瞭然です。

歯医者は患者さんの口の中を記録することが多々あります。口の中を記録することにより治療前と治療後の経過を客観的に診ることができます。患者さんにとっては治療の成果が明らかとなり、歯医者にとっては自らの治療の状態を専門的に検証することが可能となります。口の中の写真を撮る事は患者さんにとっても、歯医者にとっても共にメリットのあることなのです。
歯医者で使用するカメラですが、最近ではデジタルカメラを使うことが主流です。デジタルカメラは多種多様ですが、専門的にはやはり一眼レフタイプの物を使用します。レンズはマクロレンズといって接写に耐えるレンズを使用します。また、口の中は大変暗い場所ですから、通常のストロボではなく、リングストロボと呼ばれる特殊なストロボを使用します。
上記の盗難品はまさしく歯科仕様の一眼レフカメラキットであり、歯医者が使用していたことは間違いありません。しかも、記録メディアの中には歯や口の中の写真が多数記録されていたということですから、このデジカメは歯医者が使用していたデジタルカメラであることは明らかです。

おそらく、今回逮捕された被疑者は歯科医院を荒らしたことがあるのでしょう。歯科医院に潜入しているうちにデジタルカメラが目に入り、そのまま盗んでしまったのかもしれませんが、あまりにも特殊な仕様だったため、売るのにも困り、自宅で保管しているうちに警察に御用になったのでしょう。

今回のデジタル一眼レフカメラ、仕様をみているとなかなかの優れもののようです。何もなければ僕が貰いたいなあなんて思ってしまうぐらいですが、これはあまりにも不謹慎ですね。少しでも早く元の持ち主の所へ戻って欲しいものです。


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