2007年12月28日(金) |
年末年始価値観の変化 |
今日は12月28日。官公庁を中心に多くの会社、企業、組織では今日で仕事納めという所が多いのではないでしょうか?医療機関も今日で仕事納めという所が多いようで、うちの歯科医院でも今日が仕事納めです。
これまで年末というといつもの月以上に患者さんが多い傾向にありました。一年を終えるにあたり、歯の悪い所を全て治療し、健康な歯で年を越したい。このように思われる患者さんが多かったように思います。
“もう少し早く来院して治療して欲しい” と思いながらも、何とか時間をやりくりして年内に治療を終えるような患者さんが何人もいたものです。これが果たして良いことなのかどうかはわかりませんが、少なくとも歯の治療において一年の区切りということを非常に意識していた患者さんが以前にたくさんいたことは事実です。
ところが、ここ数年の傾向として年の瀬だからといった治療を急がない、急ぐ必要がないと考える患者さんの割合が確実に増えてきたように思います。治療が越年になってしまうことを伝えても、さほど気にならない患者さんが以前よりは多いのです。
理由はいくつかあることでしょう。前回の日記でも書いたことですが、かつては年末年始というと開院している歯科医院が少なかったため、年末年始に歯が悪くならないように年内に何とかしてもらおうと考える患者さんが多かったものです。ところが、最近は年末年始に応急歯科診療所が開かれていることが徐々に世の中に認知されてきました。インターネットの普及により年末年始に開院している医療機関が簡単に調べられるようにもなっています。別に年内に治療を急がなくても、年末年始、歯が悪くなってもあせる必要はない、何とかなると考えている人が多くなっているように思います。
それよりも、僕が思うのは、一年の終わりに対する考え方の変化です。かつて年末というと一年の区切りということで何か厳粛な気分になっていたものです。年末年始には一時的に社会の活動が休止し、静かに新たな年を迎える。そんな社会だったように思うのですが、今ではそのような雰囲気は薄まっているように思えてなりません。大きなスーパー、百貨店、コンビニなどは年末年始休まず営業している所が大半です。また、家に門松やしめ縄を飾って正月を迎えるような家も少なくなってきています。年末年始を特別視しない風潮が年々強まっているように思えてなりません。
この風潮を年末に来院する患者さんの傾向と関連すると考えるのは強引なことかもしれませんが、身ぎれいにして年を越すことにこだわりを持つ患者さんが少なくなってきていることは確かなように思います。
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