2007年12月19日(水) |
お中元という名のお歳暮 |
昨日も書いたことですが、うちの歯科医院には歯科材料店の担当者が週に2回出入りしています。昨日は担当者のY君がうちの歯科医院を訪問する日だったのですが、いつも来院する時間帯よりもかなり遅い時間帯にやって来ました。Y君の姿を見た僕は思わず尋ねてしまいました。
「Y君、大丈夫か?」
いつも元気ハツラツなY君なのですが、昨日のY君は顔色が悪く、口元にはマスクをしていたのです。立っているのもつらそうな状態のY君。
「年末の忙しい時期なのに情けないことに風邪をひいてしまいました。どこで風邪をもらったのかわかりませんが、かなり体に来ています。」
本当なら代わりの人間がいれば休みたかったのでしょうが、Y君の勤務先である歯科材料店では小規模の歯科材料店。Y君と代わってくれるスタッフもいないようで、体調が良くなくても休みことができないとのこと。僕は直ぐに注文の歯科器具や歯科材料を伝えました。Y君も注文したものをメモ書きした後、直ちにうちの歯科医院を出ようとしたのですが、
「先生、肝心な物を渡すのを忘れていました。」
肝心な物とはお歳暮でした。 歯科材料店では、年の瀬には付き合いのある歯科医院に歳暮をするのが普通です。いつも歯科医院から注文を取ることが仕事の歯科材料店です。歯科医院なくては商売が成り立たないため、年の瀬には各歯科医院に歳暮を渡すのが習慣となっているのです。 歳暮といってもさほど高価なものではありません。極めて実用的なものを歳暮として届けてくれます。うちに出入りしている歯科材料店ではカレンダーとタオルを歳暮として頂きます。 昨日もY君はいつもと同じような歳暮を持ってきてくれたのですが、Y君が帰ってから包みを開けてみると、僕は思わず開いた口が塞がりませんでした。その理由は、お歳暮のかけ紙に書いてある文字にありました。
お中元 ○○歯科商会
これまで僕は何度かお歳暮を頂いてきました。お歳暮を頂くことは大変有難いことだとは思うのですが、中には誰かから貰った貰い物をそのままお歳暮として流用したのではないかと思いたくなるような代物もあります。お歳暮を貰う側としてお歳暮にケチをつけることは如何なものかと思い、どんなお歳暮でも有難く頂戴するようにはしています。けれども、今回のようにお中元として用意しておいた品物をかけ紙を変えることなくそのままお歳暮して持ってきたことはあまり経験がありません。 おそらく、風邪をひいていたY君は頭が呆然としていたため、いつもならかけ紙を変えてお歳暮として持ってくるべきものを、”お中元”と書かれた表紙を変えることなくそのまま持ってきたのでしょう。 本来なら、このような行為は、いくらお歳暮とはいってもお歳暮を贈る相手に非常に失礼なことではあるのですが、いつも世話になっており、風邪をひいて体調を崩していたY君の立場を考え、そのまま何もなかったかのように振舞うことにしました。
それにしても、あまりにもはっきりしたお中元の余り物からのお歳暮への流用。呆れて物が言えなかった、歯医者そうさんでした。
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