2007年11月08日(木) |
歯医者は儲かっていると思いますか? |
先月末、第16回医療経済実態調査の結果速報が報告されました。医療経済実態調査というのは、社会保険による診療を行っている日本全国の医療機関における医業経営の実態を調べた調査のことです。日本全国の病院、精神病院、一般診療所、歯科診療所ならびに保険薬局を対象とし、地域別に無作為に抽出した施設を調査対象としています。二年に1回の割合で行われています。歯科診療所においては抽出率50分の1、すなわち、50診療所に1件の割合で調査されたことになっています。その結果は以下のとおりです。
収入 345.7万円 その内訳は、 保険診療収入 298.4万円 労災等診療収入 0.3万円 その他の診療収入 42.3万円 その他の医業収入 4.5万円 介護収入 0.2万円
一方、支出はといいますと 222.8万円 その内訳は 給与費 99.0万円 医薬品費 4.1万円 歯科材料費 21.4万円 委託費 37.4万円 減価償却費 16.2万円 その他の医業費用 44.7万円
収支差額が122.9万円
この医療経済実態調査では収支差額に計上されていないものがあります。例えば、借入金元本の返済額や建物、設備等の改築・更新の費用などです。日本歯科医師会によれば、借入金元本の返済額は月平均22.7万円なのだそうです。
以上の結果から、一般歯科診療所における収支差額は100万円を切る額であることが明らかです。この額を高いか低いかと言うことになると議論のあるところだとは思いますが、少なくともこれまで世間で定着しているような“歯医者は儲かっている”、“歯医者は金持ちである”というイメージとは随分違うと感じられる人が多いのではないでしょうか。
昨年の診療報酬のマイナス改訂により多くの歯科医院では収入が落ち込む一方、医業費用と呼ばれる支出が増えています。借入金の返済に追われる歯科医院がほとんどです。どの歯科医院も経営努力をしているのですが、経費節減の努力も限界に達している歯科医院が増え、結果として経営が苦しい歯科医院が多いのが現状なのです。
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