歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2007年10月09日(火) あなたのパンティの色を教えて下さい?!

開業歯科医院では、歯医者が患者さんの口の中や歯の治療をするのは当然のことですが、その一方で歯医者は開業歯科医院の院長の立場でもあります。歯科医院の経営にも携わらないといけない立場です。勤務医であれば患者さんの治療に専念できるかもしれませんが、院長となると単に患者さんの治療のみならず、歯科医院の経営にも目を光らさないといけません。
歯科医院の経営の中でも大切なのはスタッフです。歯科衛生士、歯科助手、受付といった人たちの協力がないと歯科医院は成り立たないのです。僕も零細歯科医院の院長ですが、周囲には歯科衛生士、歯科助手、受付というスタッフに囲まれて仕事をしています。彼女たちの力は非常に貴重な戦力であり、彼女たちの働きぶりにいつも感謝をしています。

これらスタッフの中で受付は、歯科医院の顔ともいうべき存在かもしれません。患者さんが歯科医院を訪れるにあたり最初に接するのが受付です。また、歯科医院へ電話をかける際、最初に応対するのも受付です。
全く見ず知らずの人と初めて会った時、初対面の印象がその人の評価に大きな影響を与えるものですが、受付の役割もこれと似たようなところがあります。歯科医院に対する患者さんの印象を良くするも悪くするも受付の対応いかんといっても過言ではありません。患者さんに対する対応、治療費の支払い、予約、電話の応答、時には歯医者である院長の代弁者として話をしなければなりません。歯科医院における要といっても過言ではないポストといっていいでしょう。

先日、地元歯科医師会での会合の合間の雑談の中でも、歯医者の先生との間で受付の大切さを皆異口同音に話していました。最近は、様々な患者さんが来院したり、電話をかけてきます。中にはどう考えても問題のあるような患者さんが来院したり、連絡を取ってきたりします。その際、受付でどのように対処すべきか?
受付の人の対応が難しくなってきているという話でしたが、その中である先生がこのような話をしてくれました。

「僕はどんな患者さんが来院したり、電話をしてきても最低限の礼儀をわきまえないようにするように、いつも受付嬢に言っているんだ。」
「それは非常に大切なことですね。」
「受付嬢は僕の言うことをわかってくれていつも冷静に対処してくれているんだけどね、先日、受付嬢が思わぬことをしていたのを僕は見つけたんだよ。」
「それはどういったことだったのですか?」
「診療中、僕は受付に出向いた時のこと、一本の電話がかかってきたんだよ。受付嬢はいつもと同じように丁寧に応対していたんだけどね、ところがしばらくすると顔を紅潮させて突然何も言わず受話器を置いたんだよ。僕はびっくりしてね。彼女に注意したんだ。
『どんな電話であったとしても礼儀をわきまえないといけないと言っていたでしょ。今まであなたはそれを忠実に守っていたはずだし、それを僕も信じていた。それなのに今の電話の切り方というのは問題じゃないか?電話をかけてきた相手に対して失礼だろう。最近は宣伝の電話が多くはかかってくる事情はわかるけど、今のようなやり方は品位を疑われるよ』とね。そう言ったら、受付嬢がね、涙目を浮かべながら僕に言ったよ。」
「それは一体どういったことだったのですか?」
「受付嬢曰く、『先生、私も先生の言われていたことはよくわかっていたつもりです。けれども、今の電話はどうしても我慢できませんでした。なぜなら・・・・』」と言ったまま言葉を詰まらせたんだよ。」
「“これはただ事ではない”と感じて、僕は受付嬢に確認したところ、受付嬢の対応がやむをえない、仕方がないと思ったよ。」
「電話をかけてきた相手は、受付嬢にいきなりこんなことを言ってきたそうだ。
『あなたの身につけているパンティの色を教えて下さい』ってね。」
「今までいろんな変な電話がかかってきたけど、これほど破廉恥な電話を僕も聞いたことがなかったよ。完全なセクハラだよね。年齢が若い受付嬢が腹を立てて受話器を切ったのも無理はないなあと思ったね。僕は受付嬢を責めることはできなかったよ。それにしても、世の中にはいろんな輩がいるものだけど、全く初対面の人に対してこれほど失礼な電話をかけてくる輩も世の中にはいるものだね。これが電話だったからまだ直接本人と面と向かうわけではなかったからよかったものの、面と向かうような状況を想像すると怖くて仕方がないよ。今更ながら受付の大変さが理解できたように思う。」


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