| 2007年10月01日(月) |
健康寿命ってご存知ですか? |
既にご存知の方も多いとは思いますが、日本人の平均寿命は世界の中でも最高レベルにあります。厚生労働省が発表した平成18年簡易生命表 によれば、男子が79.00歳、女性が85.51歳で男子が世界で2番目、女子は世界一の長寿となっています。平均寿命の高さは、日本が長寿社会であることを物語っている一つの証拠でもあるわけですが、平均寿命の長さをそのまま喜んでいいものか考える必要があると思います。その理由とは、平均寿命とは一人の人間が生まれてから死ぬまでの寿命の平均であるということです。 当たり前のことではないかと思われる方がいるかもしれませんが、平均寿命とは、一人の人間が何の障害もなく、病に罹ることなく、自立して健康に生きている期間とは自ずと異なることを認識しておかなくてはなりません。
最近、病気にならず、障害を負わず、痴呆にならず、誰からの世話、援助を受けずに自立して健康に生きている期間のことを健康寿命と呼ぶことが多くなってきました。いくつかの資料を紐解くと、健康寿命を最初に定義したのは世界保健機関(WHO)のようで、Healthy Life Expectancyの日本語訳が健康寿命として流布しているようです。 実際に健康寿命をどうやって計算するかは諸説あるようですが、WHOの2004年の報告によれば、日本人の健康寿命は男性が72.3歳、女性が77.7歳ということでいずれも世界一の健康寿命なのだそうです。如何に日本人が生活習慣、種々の医療、保健、福祉政策が優れているかを物語っているものと思われます。
ここで考えなくてはならないのは、健康寿命と平均寿命の差です。基準が異なるので正確さには欠けますが、日本人男性の場合、平均寿命79.00歳。一方、平均寿命が72.3歳です。日本人男性の健康寿命と平均寿命との差は6.7年。日本人女性の場合であれば、平均寿命が85.51歳、健康寿命が77.7歳ですから7.81年です。日本人男性の6.7年、日本人女性の7.81年という時間の意味するものは何でしょう?周囲の誰かが医療、福祉、介護を行う必要がある期間であることは明白です。現在の医療費の増大、介護保険財政の厳しさの背景には健康寿命と平均寿命との差が大きいことがあるとも言えるでしょう。この健康寿命と平均寿命の差を埋めるためにどういったことをすれば良いか?いろいろと議論があるようですが、健康寿命を少しでも長く伸ばすことが必要だということが世界の医療、保健、福祉関係者の中では共通認識となってきています。僕は、健康寿命が伸びることが平均寿命との差を小さくなることに関して疑問を感じることもあるのですが・・・。
現在の日本でも、国の健康政策は健康寿命を伸ばすために、健康に関する生活の質の向上を目指すことを目標にしています。厚生労働省では21世紀の国民健康づくり運動を進めるための指針として2000年(平成12年)に健康日本21というものを発表していますが、その中で日本国民の健康確保のために9項目の健康課題を設けています。それぞれ2010年までに達成しなければならない具体的目標があるのです。この9項目の健康課題の一つに歯の健康が挙げられています。
健康寿命を伸ばすためには歯の健康の管理が大切であるかが国によって認められているわけですね。
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