| 2007年09月29日(土) |
支払いに追われる日々 |
歯科医院に限らず保険診療を行っている全ての医療機関で言えることですが、保険診療では、診療に必要な治療費は窓口で1割〜3割分は患者さんが支払うことになります。残りの分に関しては保険組合に請求することになります。基本的に、お勤めの方の場合は社会保険ですので、各都道府県にある社会保険支払基金(基金)に、自営業の方の場合は国民健康保険ですから、各都道府県の国民健康保険連合会(連合会)に請求することになります。
これら請求を行うのが診療報酬明細書、通称レセプトと呼ばれるもので、月の終わりを区切りにして、翌月の10日までにレセプトをまとめ、社会保険分は基金へ、国民健康保険分は連合会へ請求することになります。 各月の10日までに請求のあったレセプトは、基金と連合会でそれぞれ審査が行われた後、更に患者さんの属する保険組合へ請求がいくことになっています。各保険組合で更に審査され、正当な請求だと判断された場合、各保険組合から基金、ならびに連合会を通じて窓口負担分以外の診療費が支払われるというわけです。
非常にややこしいシステムであるわけですが、治療費用の保険組合分の支払いにはそれだけ慎重に行っているということです。結果的に時間がかかります。窓口負担分以外の各保険組合が支払う診療費は2ヶ月遅れで各医療機関に支払われるのです。例えば、8月分の請求に対しては10月に、9月分の診療に対しては11月にといった具合にです。更に正確に書くなら、2ヶ月遅れの20日過ぎです。
保険診療を行っている全ての医療機関にとってこの20日過ぎというのは診療報酬の保険組合負担分が支払われる時間帯ですから、医療機関の経営者にとっては非常に大切な日なのです。お勤めの方のような給料日みたいな日のようなものです。うちのような零細の歯科医院でもそうです。弱小歯科医院であるが故に、毎月20日は非常に待ち遠しく感じます。
今月も20日にうちの歯科医院の銀行口座に支払いがありました。これら支払いを確認すると、早速僕は様々な処理を行わないといけません。それはうちの歯科医院と取引のある業者や公共料金等々への支払いです。毎月、この時期を見越して取引のある業者からは前月の支払い分の請求書が届けられます。その分に一喜一憂しながら、請求書の支払額を確認し、支払うのです。 この作業、毎月のことではありながら結構気を使います。実際の支払いは僕自身、診療をしていますので、うちの歯科医院の事務の担当者にお願いしていますが、僕も全て支出に目を通して、支払う金額は頭の中に入れています。僕は歯医者であり一方で歯科医院の経営者でもあります。これら支払いを自分で確認することは当然のことではありますが、月末までに一通りの支払いが終わると正直言ってホッとします。何とか今月も無事に終わることができたなあと感じるものです。これが返せなければどうしよう?そのような不安がどこかにつきまといながらも何とか支払うものは支払うことができた。そんな安堵感が月の終わりに感じるものなのです。 これからどうなるかわかりませんが、何とかこれからも月の終わりには支払うものが支払えるような状態を維持していきたいものです。
こんなことを書きながらふと気がつくともう月末。今月は何とかなりそうです。来週になれば10月。早速レセプト提出の準備をしないといけないなあ。
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