歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2007年09月12日(水) 正しい歯の磨き方をお教えしましょう

日頃の診療で患者さんに対し歯磨き指導を行うことが多いのですが、歯磨き指導を行う際、少なくない患者さんが意外な表情をされることがあります。

“自分はきちんと磨いているのにどうして先生は歯磨き指導をするの?”
このようなことを言いたくなるような顔の表情をされるものです。歯医者としては歯磨きが上手くできていないので歯磨き指導をするわけですが、当の患者さんの意識ではきちんと歯磨きをしている。このギャップを如何にうまく説明し、患者さんに納得させ、歯磨きを改善して健康な歯、歯肉、口の中を管理できるか?多くの歯医者や歯科衛生士が悩み続けているところです。

ところで、僕が所属している日本歯科医師会では月1回日本歯科医師会雑誌という雑誌が送られてきます。この雑誌は学問的にも非常に興味深いことが載っている雑誌で、非常に貴重な情報源の一つなのですが、今月号の付録に一般の患者さん向けの歯磨き法が提示されていました。読んでみると非常にわかりやすく絵入りで書いてありますので、今日はこれを紹介したいと思います。


Lesson1



歯ブラシは握らず、ペンを持つようにしましょう。
つい力が入りやすい人は歯ブラシの持ち方にも注意を。歯ブラシの毛の弾力性を活かすように、ペンを持つときの持ち方で軽く握るのが基本形です。

Lesson2
歯ブラシの毛先で小刻みに磨きます。
歯に毛先が当たっていることが大事。毛先を1ミリから数ミリぐらい小刻みに動かします。20〜30回磨いたら次の歯にずらします。裏側も同様に。
小刻みに動かすと歯と歯の間まで毛先が届いて、磨くことができます。


一方、ブラシを大きく動かすと、歯と歯の間に毛先が届かず歯と歯の間が磨けません。




Lesson3


前歯の裏側は歯ブラシのカカトで磨きます。
上の前歯も下の前歯も、裏側は歯ブラシの「カカト」部分で縦に、1本ずつ磨きます。

Lesson4


歯と歯ぐきの境目はやさしく磨きます。
特に歯垢(プラーク)のたまりやすい、歯と歯ぐきの境目は、歯ブラシを45度くらいに斜めに当て、歯肉を傷つけないようにやさしく磨きます。

Lesson5


右奥歯は左手、左奥歯は右手で磨く
奥歯の咬合面の溝はむし歯になりやすい部分。歯ブラシを持ち替えて、少し強めの力で小刻みに。

Lesson6


一番奥歯の歯はブラシのつま先で磨きましょう。
磨き残しやすい一番奥歯の歯の根元は、歯ブラシのつま先(先端部分)を使って、舌側と頬側の両面から磨きます。

Lesson7


意外に磨き残しやすいのは奥歯の側面です。
噛み合わせの部分はしっかり磨いていても、意外に磨き残しやすいのは、上顎の奥歯の外側と、下顎の奥歯の内側。意識して丁寧に磨きましょう。


以上の磨き方は、僕が患者さんに教える歯磨き方法と概ね合っていますのでここで紹介しました。
上記以外にも歯と歯の間を磨くありますが、これに関しては糸ようじ(デンタルフロス)や歯間ブラシを使用することが大切だと思います。

実際のところ、人の口の中は千差万別ですので、個別に歯磨きの指導が必要だと思います。歯磨きを改善したいと思われる方は、是非お近くの歯医者へ出かけ、歯磨き指導を受けられることをお勧めします。歯医者や歯科衛生士が丁寧に指導してくれるはずですよ。


※出典:日本歯科医師会発行:オーラルケアでより美しく もっと知的に!キレイな口元 輝く笑顔


 < 前日  表紙  翌日 >







そうさん メールはこちらから 掲示板

My追加