歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2007年09月03日(月) 歯の矯正治療中の世界陸上女子マラソン銅メダル

既に皆さんもご存知のことと思いますが、昨日、陸上の第11回世界選手権大阪大会で女子マラソンが行われ、土佐礼子選手が銅メダルを獲得しました。この大会での日本勢のメダルは初めてで、日本陸上競技連盟の規定により、土佐選手は北京五輪代表に内定したとのこと。

 昨日の女子マラソンは、選手同士が暑さを考えスローペースで始まったようですが、後半になってからレースは動き、レース序盤から先頭集団で走っていた土佐は一時39キロ手前で一時は5位に落ちました。ところが、土佐選手独特の粘りの走りで40キロ過ぎに3位に浮上し、2001年大会の銀に続く2個目のメダルを獲得したのです。

 昨日の女子マラソンレースを僕も見ていましたが、夏場のマラソンというのは非常に過酷なものであることがよくわかりました。選手は常に水分補給を怠っていませんでしたし、中にはレース途中で倒れこんだり、棄権する選手もいました。レース終盤には気温が30度を越えていましたから、体感温度は相当高いものであることが容易に想像できます。そのような条件のもと、42.195キロを2時間30分ぐらいで走りきる体力というのは、日ごろのトレーニングの積み重ねでしか得ることができないものでしょう。

土佐選手は7月のトレーニング中に膝を痛めていたそうですが、僕自身、もう一つ他の選手に比べハンディがあったのではないかと思うのです。それは、歯の矯正装置。既に誰もが気がついているとは思いますが、土佐選手は2年前くらいから競技、練習の合間に歯の矯正治療を続けています。歯並び、かみ合わせの改善が選手としての運動能力の向上につながるというご主人のアドバイスにより始めたそうですが、実際に2006年の東京国際女子マラソンでは高橋尚子を破り、優勝を果たしています。

今回のマラソンでも土佐選手は歯の矯正装置を装着したままレースをしたわけですが、通常のレースと違い、暑さの中でのレース。水分の喪失は相当なもののはずで、常に選手は水分補給を怠りませんでした。それぐらい過酷なレースであったわけですが、口の中の状態も相当乾燥している状態であったのではないかと思います。そのような口の中、いくら歯に影響がないように装着されている歯の矯正装置とはいえ、異物といえば異物です。乾燥した口の中に異物が入った状態で夏場のマラソンレースを走るということはどれほど過酷な状況であるでしょう。今回のレースでは、土佐選手は、直前に痛めた膝の怪我だけでなく、口の中の矯正装置もハンディになっていたのではないかと想像するのです。そのような悪条件の中獲得した銅メダル。僕は、土佐選手の健闘に拍手を送りたいと思います。

土佐選手は来年開催の北京オリンピックの女子マラソン日本代表に内定したそうですが、今後は北京オリンピックに向けてトレーニング計画を立て、実行するとのこと。おそらく、北京オリンピックの頃には矯正装置は取り除かれ、少なくともレース中は口の中の異物はないような状態でレースに臨むことができることでしょう。

歯の矯正装置が入った中でも結果を出すことができた土佐選手ですから、北京オリンピックでは有力な金メダル候補の一人ではないか?
そのように勝手に考えている、歯医者そうさんです。


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