| 2007年08月02日(木) |
僕が必ずカルテに記載することとは? |
最近、毎日の診療以外に雑用、頼まれ事が多いように思います。何もすることがない暇を持て余すよりはましだとは思うのですが、それにしても一つの用事が終わったと思えば、二つの用事があるといったような感がする今日この頃。僕の鈍い頭では一体何をしなければならないのかわからなくなってしまうことが多いように思います。
自分の記憶力の無さにはほどほど自分で呆れてしまうのですが、自分の欠点をカバーするために行っているのがメモ書きです。一日単位、一週間単位、一ヶ月単位といったように何をいつまでにしなければならないかを自分の手帳に書き込みます。 手帳が手元に無い時は、手元にあるメモ用紙か計算用紙に書いておき、後で手帳にまとめるという作業をしています。 いろいろと頼まれごとを聞いているつもりでも、記憶が残っていればいいのです。ところが、かつて、頼まれごとの記憶が忘却してしまうことがあり、迷惑をかけたことがありました。これでは僕に対する信頼がなくなり、信用されなくなってしまう。 危機感を覚えた小心者の僕は、忘れないうちにメモを取っておき、書くことによって忘れやすい記憶を少しでも覚えておくように、もし忘れたとしてもメモを見ることにより思い出すことを日課としています。
実は、このことは普段の診療でも行っています。それはカルテを書く時です。 僕は、患者さんの症状、主訴、治療、投薬した薬、検査結果などは全て遅滞なくカルテに記載していますが、それ以外に次回の患者さんの治療予定を必ず記しているのです。
本来なら、患者さんの顔を見たり、思い出せば、治療に関することは全て記憶に残っていなければならないのが医師、歯科医師としての義務です。僕もそのようにしているつもりではあるのですが、毎日何人もの患者さんを立て続けに治療していると、患者さんの治療計画が咄嗟に思い浮かばないことがあるのです。前回の治療で話していた治療計画と、当日の治療の内容が変わっているようでは患者さんの不信感を招きます。もちろん、思わぬことで治療計画は変わることがあり、その都度柔軟に対応しなければならないのですが、当初立てていた治療計画は覚えていることが前提です。 間違いがあっては大きな医療トラブルにも繋がりかねません。一種のリスク回避のために僕は毎回治療が終わるたびにカルテに次回の治療予定を記載しているのです。
このカルテへのメモ書きは僕の研修医時代の先輩の先生から学んだものです。その先生は、患者さんの治療内容を記したカルテの最後に必ず以下のようなことを書かれていました。
“Next ○○治療”
記憶力に自信の無い僕は、先輩の先生の習慣を見習わなくてはと強く感じ、以来今に至るまでカルテには次回の治療計画を書くようにしています。
次回の治療予定を書く習慣の是非は議論があるところかもしれませんが、少なくとも僕にとっては患者さんとの意思疎通をはかり、お互いの誤解を避けるためには必要不可欠なことだと考えています。
次回治療予定をカルテに記載する習慣は、今後も続けることでしょう。
|