歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2007年07月31日(火) ”いつ結婚するの?”と言わせないためには

先日、僕はある先輩の歯医者K先生と話しをする機会がありました。K先生は僕が尊敬する先輩の先生の一人なのですが、歯科治療に対する知識、技術の習得に常に貪欲で、非常に優れた歯科治療を行う先生です。専門家である僕からみても、これは敵いそうにないなあと思うくらいの高度なレベルの診療をされるのです。そんなK先生と話をすると僕はいつも新鮮な発見、驚きを感じ、非常に有意義な時間を過ごすことができます。
そんなK先生ですが、世間話をしているとこんなことを言われたのです。

「今もって周囲から“いつ結婚するんだ?”と言われるんだよ。うっとおしくて仕方が無い。」

K先生の気持ち、僕はよくわかりました。
かつて、僕も20歳代後半の独身時代、周囲からは何かにつけて言われたものです。
「結婚はいつするんだ?」
「将来の伴侶はもういるのか?」
「彼女はどうなんだ?」

20歳代後半という年齢は、男にとっても結婚適齢期みたいなところがあるのでしょう。独身であった僕に対し、周囲の親戚や知人、先輩から会うたびにこのようなことを言われたものです。言う方はそれなりに気を遣っているつもりなのでしょうが、言われる当人としては“小さな親切、大きなお世話“でした。どうして、いつも同じようなことを言われ続けなければならないのだろうかと思いながら、相手に失礼にならないように適当に返事をしていたものです。

この結婚しないか合唱は僕が結婚した30歳になるまで続きました。今の嫁さんと出会い、結婚するまで続いたわけです。
“これで結婚のことをとやかく言われなくて済む”と思っていると、今度は別の“小さな親切、大きなお世話”が待っていました。それは、“子供はまだか?”

「ぼちぼち子供のことを考えているんじゃないですか?」
「お父さん、お母さんはお孫さんの誕生をお待ちでしょう。」
「子供はまだですか?」

僕ら夫婦は、子供が欲しいとは思っていましたが、子供がいつ誕生するかどうかというのは考えていませんでした。夫婦同士、互いに“気長に考えていこう“と言っていたのですが、周囲ではそんな僕ら夫婦の気持ちは理解してくれなかったのです。
会うたびに、“子供はまだか?”と言われるばかり。
こんなことでは落ち着いて子作りもできやしない!小さな親切、大きなお世話の周囲からの雑音に閉口したものです。

幸い、有難いことに今から9年前、上のチビが誕生しました。五体満足に健康なチビが誕生したことは非常に喜ばしいことでした。夫婦で初めての赤ちゃん育てが始まりました。当初は初めてだったものですから試行錯誤の連続でしたが、何とか慣れてきたと思っていた時期に、僕は新たな雑音が聞こえてきました。

「二人目はまだか?」
「子供が一人だと寂しいのじゃないですか?」
「子供は一人よりも二人の方が賑やかですよ。」

せっかく子育てにも慣れ、子供も順調に育ってきたなかでの一言。本音としては、もう一人子供が欲しいとは思っていましたが、それは周囲からとやかく言われる筋合いではありません。それなのに周囲から何を言うのだという思いが強くしたものです。

結局、この雑音は下の子供が誕生するまで続きました。
さすがに、3人目の子供はどうだ?という雑音は聞かれませんでしたが、今度は子供に関して新たな雑音が聞こえてきました。

「幼稚園はどこに通わせるの?」

「小学校はどこの小学校を考えている?地元の公立、それとも私立。」

おそらく、この手の雑音は、子供が成長し、中学、高校、大学へ進学する時点でも生じるでしょう。大学へ進学すれば、その後は、就職のこと、挙句の果てには子供の結婚、孫の誕生に至るまであるのかもしれません。キリが無いということです。

これら“小さな親切、大きなお世話”に対してどう接すればよいのか?周囲の雑音に惑わされず自分を失わずにマイペースでいくことが一番なのでしょうが、雑音を完全に消し去るには結果を出すしかありません。
すなわち、“結婚がまだか?”と言われれば、結婚をする、
“子供はまだか?”と言われれば子供を作る
といった具合です。

他人の不幸は蜜の味なんてことを言いますが、世間では親切面をして他人の動向に関心がある人が多いのです。そんな人を黙らせるには結果を示すしかないのが現状。
結果を出せない人に対しては黙って温かく見守るのが本当の愛情であり、思いやりだとは思うのですが、それができない人が多いのは悲しいことです。

先輩のK先生にも同様のことを言いました。賢明なK先生曰く

「そのとおりだよね。正直言って、僕も結婚したいのだけど、相手に恵まれなくてね・・・。僕の目の前にこれだと思った女性が出現して結婚するまではうっとおしいことが続くね。少なくとも、そうさんは結果が出ることを気長に待っていてよね。」

K先生、僕はいつまでも吉報を待っていますよ。


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