2007年07月30日(月) |
参議院議員選挙 歯科職域代表候補当選 |
昨日、第21回参議院議員選挙が行われ大勢が判明しました。結果はこちらにあるように与党である自民党の歴史的大敗に終わりました。選挙前から年金問題や閣僚の問題発言、自殺といったスキャンダルの連発などから自民党には逆風が吹いているとマスコミを中心に言われていましたが、結果もその逆風を裏付けるものとなり、自民党は公明党を合わせても過半数を大きく下回る結果となり、政権運営が非常に不安定になる可能性が高くなってきました。
そんな中、当選者の中に歯医者がいました。その一人が石井みどり氏です。石井みどり氏は、広島県の小児歯科医だったのですが、今回の選挙で自民党公認比例代表候補として立候補し、自民党に対する逆風にも関わらず見事に当選しました。
実は、石井みどり氏は日本歯科医師会の政治団体日本歯科医師連盟(日歯連)の職域代表候補でありました。日本歯科医師連盟は中医協を舞台とした汚職事件を起した3年前の参議院議員選挙では候補者を立候補することができませんでした。今回の選挙ではただ一人日歯連の職域代表の議員が改選に当たっていました。日歯連は3年前から今回の参議院選挙の準備を始め、今回改選する現職議員を含め広く候補者を募り、検討した結果、石井みどり氏を日歯連の職域代表候補として擁立することにしたのです。
石井みどり氏は2年前から全国各地の歯科医師会をまわり続け、自らの当選のための選挙協力を訴えてきました。今の時代、無党派層が選挙の行方を決めることが言われていますが、日歯連の職域代表候補は知名度がありません。当選するためには昔ながらの組織票に頼るしかありません。現在、歯科医師は全国に10万人近くいます。今回の参議院議員選挙、比例代表の当選投票数は20万票だと言われていましたので、全国に散らばる歯科医師が自らだけでなく投票権のある家族に投票を呼びかければ充分に当選するであろうというヨミがあったのです。
実際のところは、かなり厳しいところがありました。石井みどり氏は自民党の公認候補でもありました。昨年の医療保険制度のマイナス改定の影響から、全国の歯科医の間では政権与党に対する風当たりが相当強いものがあったのです。石井みどり氏は医療、社会福祉の政治に歯科医師が関与するためには与党候補である自民党から出馬しなければ意味が無いと訴え、日歯連もサポートしてきました。
今年になってからは、石井みどり氏は自らの歯科医院を閉院し、退路を断って全国各地を2度3度くまなく回り、歯科医師会を中心に自らへの指示を訴えてきました。また、日歯連も非常な危機感をもって全国各地の下部組織に石井みどり氏への指示を徹底してきたのです。
その甲斐あってか、今回の選挙では石井みどり氏は逆風が強かった自民党候補であったものの当選することができました。歯科医師会に所属する歯科医師の組織票をまとめあげた結果だろうと思います。
今回の選挙では医師会の職域代表ともいえる現役議員が落選しています。例えば、医師職域代表議員。医師の数は歯科医師のほぼ3倍ありますから、医師の力を結集すれば組織票によって当選できたはずなのですが、それができなかったのです。組織票をまとめる難しさを物語っています。 日歯連は相当な危機感をもって時間をかけて今回の参議院議員選挙の準備をしてきましたが、そこまでしないと一人の議員を職域代表として国会へ送り込むことができないものなのです。今回も様々な団体の職域代表候補が立候補しましたが、多くが落選だったことを考えると、組織票を頼りにした選挙の難しさを感じます。
職域代表が良し悪しの判断は僕にはわかりませんが、同じ歯医者として石井みどり氏が国会議員として当選したことは、素直にうれしく思います。これから6年間、より良い歯科医療の実現のため、国政の場で汗をかいて頑張って欲しいと思います。
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