2007年07月26日(木) |
有名人口元チェック 大関琴光喜 |
昨日、テレビを見ていると大相撲の関脇琴光喜が大関に推挙されたことを伝えた伝達式の模様が放映されていました。何でも日本人大関の誕生は先に引退した栃東以来とのこと。最近の角界は、大関、横綱とも外国人力士ばかりだったため、久々の日本人大関の誕生なのです。 琴光喜が大関になったのが31歳3ヶ月ということで、これまでに大関になった力士の中では最年長昇進とのこと。早くから素質を見込まれ、将来の大関、横綱候補とまで言われた力士だっただけに大関への昇進はかなり時間がかかってしまったわけですが、その分、今後の活躍、横綱への昇進を期待したいものです。
さて、インタビューを受けている琴光喜の口元を見てみました。僕が最初に感じ、なおかつ一番の特徴だと思ったことは、琴光喜の下唇です。上唇の大きさに対し、下唇の大きさが大きいのです。通常は、上唇と下唇の大きさはほぼ同じなのですが、琴光喜の場合、下唇の大きさが圧倒的に大きかったのです。
“そうなのか?” と僕は思い、実際に琴光喜の歯を見て僕は納得しました。 それは、琴光喜が受け口だったからです。専門的には下顎前突といいます。下顎の骨の成長が著しく、上顎よりも下顎の方が顔面の前方へ突出してしまっている状態を下顎前突といいます。この下顎前突の場合、下唇も前に出ているために上唇の下側を被うようになりがちです。そのため、正面から見てみると下唇の大きさが上唇よりも大きく見えてしまうのです。
どうして下顎前突が起きてしまうのか?その理由はわかっていません。現在も研究が進められているはずですが、わかっていることは下顎前突の人は家族の中に同じように下顎前突である人がいる確率が高いことです。本人が下顎前突の場合、お父さんやお母さん、隔世遺伝でおじいさんやおばあさんといった人たちが下顎前突であることが多いように思います。下顎前突になるかならないかは、遺伝による影響が大きいように思えます。
この下顎前突を治すにはどうするか?成長期の子供で将来、下顎前突になりそうな場合は、あらかじめ下顎の成長を押さえる装置を装着して成長を抑えるようにし、口の中の歯の矯正治療を行います。 それでは、大人になってしまった下顎前突の人の場合はどうでしょう。この場合、歯の矯正治療と口腔外科的手術が必要となります。具体的には、先に術前矯正治療といって矯正治療を行い、ある程度歯が移動したところで、口腔外科手術を行い、下顎、場合によっては上顎も同時に移動させます。その後、術後の矯正治療を行い、下顎前突を治すのです。
下顎前突を治すというと、下顎だけを治療すればいいように思いがちですが、顎には歯がありますから、歯並び、かみ合わせも同時に治していく必要があります。そのため、下顎前突の治療には時間がかかるものなのです。 ちなみに、矯正治療は通常は保険診療ではなく完全な自費診療なのですが、下顎前突の治療を目的とした矯正治療、ならびに口腔外科処置は全て保険診療で治療することができます。
下顎前突の有名人としてはアントニオ猪木がいます。アントニオ猪木は自分の下顎前突の顎のことを質問された際、 「俺の顎は相手レスラーの攻撃の時に非常に役立っているんだよ!」と笑いながら自分の下顎を触っていたのだとか。自分の下顎前突をコンプレックスとせず、むしろ長所として、個性として捉えていたのが印象的でした。
遅咲き大関琴光喜ですが、これからは是非とも下顎前突の顎も自らのトレードマークとして活躍して欲しいものです。そして、大関に留まらず久しぶりの日本人横綱となって活躍することを期待しています。
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