歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2007年06月27日(水) 夫婦別寝室の理由

僕は、嫁さんとちびたちと川の字の如く一緒の部屋に寝ていますが、僕の周囲には夫婦別室で寝ている友人、知人が何人もいます。理由は様々ですが、皆に共通しているのは、決して夫婦仲が悪いというわけではないということです。
例えば、仕事の時間帯の違いで別室で寝ている夫婦。知人の夫婦は共働きなのですが、奥さんが昼間の仕事なのに対し、旦那は夜の仕事。お互い、睡眠時間が貴重なのは言うまでもりません。ちょっとした物音に睡眠の妨げにならないよう、寝室を別々にしているのだそうです。

また、夫婦のどちらによる(といってもほとんどが夫ですが)どうしようもない生理現象、体質の違いによって寝室を別室にしている場合もあります。
一例を挙げますと、昨日も書いた体感温度の違いです。夫が非常な暑がりなのに対し、奥さんが寒がりの場合。特に、夏場は夫が部屋を寒いくらいに冷房を効かせないと眠れないのに対し、奥さんは大の冷え性。そのため、夫婦の寝室を分けているそうです。ただし、この夫婦の場合、冬場は一緒に寝ているのだとか。何でも真冬になると暑がりな夫が一種の湯たんぽになるような状態なので、冷え性の奥さんは助かっているのだそうです。

僕の大学時代の友人Hも夫婦で寝室を別々にしている一人です。どうして友人Hが夫婦で寝室を別々にしているのか?僕はその訳が手に取るようにわかります。

今から22年前の夏のことです。当時、僕は某歯科大学1年生だったのですが、入学して気が合った仲間と友達になり、何度も呑み会に出かけたものです。大学になったばかりの頃ですから、夜遅くまで、時には夜を徹して呑み、たわいも無いことや人生論みたいなことを話していました。
ちょうど6月下旬の頃だったでしょうか、いつものように僕は気のあった仲間数人と呑みにいったのですが、いつものように夜遅くまで呑むと電車が無くなり、自宅に帰ることができなくなりました。仕方なく、友人Hの下宿に転がり込み、泊まったのですが、僕はその夜、一睡もすることができなかったのです。その訳は、下宿の主であった友人Hにありました。友人Hは大変ないびきかきだったのです。
轟音にも近いそのいびきは、今から思えば睡眠時無呼吸症候群か、その状態に近い症状ではないかと思うのですが、ご本人は熟睡しているものの、周囲にいる者にとっては耐えられる域を超えたいびきだったのです。おかげで酔いはすっかり吹っ飛び、僕は怒りだけが残る夜となったのです。

それ以降、夜の呑み会で友人Hとともにする時には、友人Hには絶対に眠らないよう、少なくとも周囲が眠るまでは決して寝ないよう、厳しく言っていたものですが、学生時代、友人Hのいびきに何度と無く苦しまされた夜を何度か過ごすことになりました。

「将来、Hと人生の伴侶になる彼女は大変だろうなあ。」

そんなことを周囲の仲間と密かに言い合っていたものです。
果たして、我々の心配は現実のものとなりました。後年、友人Hは人生の伴侶となる女性と見合い結婚したのですが、結婚後、我々仲間はまっさきに尋ねたものです。

「奥さんと一緒に寝ているのか?」
友人Hは言いました。

「初夜は一緒に寝たけど、嫁は初夜で俺のいびきに一晩で参ってしまったみたい。『夫婦で一緒に寝ることは諦めた』と早々に宣言していたよ。初夜以降、我々夫婦が別室で寝るようになったのは自然の流れだったね。」

友人Hのいびきを想像すれば、彼の奥さんの選択は正しかった、やむを得ない判断だったように思います。


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