歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2007年05月18日(金) 講義後の質問と思いきや・・・

以前、こちらの日記で書いたことですが、僕は週1回、診療を休み某専門学校へ講義を担当しています。特に、4月が始まってから5月中旬までは2校の専門学校での講義があります。
講義の準備は普段の診療の合間や休日に行うわけですが、単に教科書に書かれている内容だけを講義するだけでなく、内容の元になっている資料や関連の内容についても確認をしないといけません。下調べって結構時間がかかるものですね。

それだけ準備をして講義をするわけですが、何よりもうれしいのは講義の後に質問を受けることです。
質問があるということは、僕の講義を聞き、内容を理解しようとしてくれている証拠と言えます。僕の講義に対して反応があるわけです。
講義をすることでお給金も頂きます。当然のことながら有難く感じるわけですが、お金以上にやりがいを感じるのは、僕が教えたことに答えてくれる学生、後輩たちが反応を示してくれることです。僕はこれまで人様に教えた経験があまりありませんが、教師の醍醐味の一つはこのようなところにあるものかと感じる今日この頃。

ただ、講義の後の質問といっても様々です。最近、受けた質問では

「先生、グーグルアースってどうやってダウンロードするんですか?」
「自衛隊の駐屯地ってどこにあるんですか?」

”一体何を講義で教えているんだ?”と突っ込まれそうですが、講義の合間の雑談でグーグルアースの話をしたり、この日記でも書いた自衛隊での話をしたことに興味を持った学生からの質問でした。

先日、某専門学校での講義が最終回を迎えました。わずか1ヶ月の間の講義だったわけですが、特に問題もなくほっとして、教壇の荷物を整理して教室を出ようとすると、女子学生の一人がやってきました。

「先生、お願いがあるんですけど。」

一体何事だろう?何か質問でもあるのだろうか、それとも、名残惜しいということを言いに来たのだろうかというような、少しスケベ親父のようなことが一瞬頭の中をよぎったのですが、

「実は、私の上の奥に親知らずがあるんですけど、どうも穴が開いてむし歯になっているみたいなんです。親知らずですから抜歯した方がいいと思うのですが、先生、抜歯してもらえませんか?」

これには僕もびっくりしました。僕が担当している科目はある語学関係の講義だったのですが、抜歯を含めた歯科口腔外科関係の講義はしていません。

たぶんに僕の講義中の雑談なのかもしれません。科目の内容ばかりだと退屈なる可も知れないという思いから、講義の合間に僕がしている普段の歯科診療の話をしているのですが、たしかその雑談の中に親知らずの抜歯の大変さを話しした記憶がありました。学生はどうもそのことを記憶していたようで僕に抜歯を託そうとしていたようでした。

本当に僕に抜歯をしてもらいたいならば、担任の先生を通じ、僕の診療所に連絡を取り、予約と取ってもらうように伝えましたが、それにしても講義の後で歯を抜いてくれなんてことを言われる先生はきっと数少ないことでしょう。
そんな珍しい体験をした、歯医者そうさんでした。



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