歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2007年05月17日(木) アレ持ってきて下さい!

先日、発表されたサラリーマン川柳ベスト10。今年で第20回ということなのだそうですが、発表される川柳にはいつも笑ったり、思わず大きく頷いたりするものばかり。時代の流れとサラリーマンの言動、所作を面白おかしく、わずか五七五の17文字に的確にできる表現ができるものだといつも感心します。

そんな川柳の中で、僕が思わず感心してしまった川柳の中にこんな川柳がありました。

アレどこだ?アレをコレするあのアレだ!

何か物を探したり、他人に何かを要求する際、目的とする単語が思い浮かばず、思わず“アレ”“コレ”“ソレ”と言ってしまう。この手のことが多くなると、老化が始まったと揶揄されることが多くなってくるわけですが、ここだけの話、最近の僕もこのような“アレ”“コレ”“ソレ”を使ってしまう場面が多いように思います。特に多いのが僕の仕事場である診療所の中です。

診療中、必要となった道具類、材料をスタッフに診療台まで持ってきてもらうことがあるのです。僕の頭の中では必要とする道具類、材料のイメージが浮かんでいます。ところが、その名前がとっさに口から出ないのです。

最近あったケースでは、抜歯の最中、ガーゼが足らなくなったので
「ガーゼが補充して下さい」と言いたかったところ、とっさに“ガーゼ”という言葉が思い浮かばず、
「アレを補充して下さい。」

部分入れ歯にはクラスプと呼ばれる歯にひっかける留め金のようなものがあります。このクラスプを調整する器具にプライヤーという器具があるのですが、 “プライヤー”という言葉が口から出ず、
「アレ持ってきて下さい。」

歯の神経を治療する際、リーマーと呼ばれる細い針金のような鋭利な器具があります。歯の神経の治療では無くてはならない器具で頻繁に使用する器具ではあるのですが、この“リーマー”が言えず
「アレの15番をお願いします。」

僕自身よく自覚しているつもりです。“アレ”しか言えない自分でも情けないことしきりです。それでも、周囲のベテランスタッフは心得たもので僕が要求しているものを診療の流れから読んでくれています。そのため、僕が“アレ”といっても“アレ”が何を指しているか概ねわかってくれているのです。
しかしながら、あまりにも“アレ”“コレ”“ソレ”言葉ばかり使い出うのも恥ずかしいため、時には必要とするものを自分で探して診療台に持ってくることもあります。トホホ・・・。

こんなことを書けば書くほど、情けなくなりますね。川島隆太教授編集の脳トレをしないといけないだろうか?

そんな不安が日に日に大きくなる、歯医者そうさんです。


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