2007年04月07日(土) |
プロは目立たない所で働くもの |
昨日、嫁さんが髪の毛をカットしに行ってきました。近所の美容室に行ったのですが、なじみの美容師さんといろいろと話をしていたのだとか。 その中で、美容室は営業時間を終えた後、何をしているのか尋ねてみたところ
「後片付けはもちろんのこと、夜遅くまで残務整理や若手がカットやパーマの練習をしている」とのこと。
嫁さんが通っている美容室は若手の美容師がたくさんいるのですが、実際にお客さんのカットやパーマをかけたりすることができるのはチーフと呼ばれている人だけなのでそうで、残りの若手の美容師はチーフのアシスタントや洗髪当番や受付を担当しているのだとか。そのような若手は、仕事が終わってから自らの美容技術の習得のために深夜まで美容の練習に励んでいるのだそうです。
「私たちのわからないところで美容室って動いているものなのね」 と言う嫁さん。
先日、友人の銀行マンと話をする機会があったのですが、 「どうして銀行の営業時間は短いの?」と尋ねたところ 「お客さんと接するという意味での営業時間は限られているかもしれないけども、銀行のシャッターが下りてからも内部では様々な残務整理や取引先とのやり取りなどが行われているんだよ。帰宅するのが深夜近くになって、朝もそれなりに早い。目立たないところで重労働しているものなんだよ。」 ということを言っておりました。 そうそう、昨日取り上げた“お持ち帰り”ですが、銀行業界で“お持ち帰り”は自宅に仕事を持ち帰ることを指すのだとか。“お持ち帰り”って決して楽しいことばかりじゃないのですね。情報提供、有難うございました!
歯科医院でも同様のことが言えるでしょう。多くの歯科医院の診療時間は8時間前後だと思いますが、これは患者さんを治療するための時間をカウントしたものです。診療以外に費やされる時間というものそれなりにあるものなのです。 診療開始前には、電気、ガスなどのチェックや診療用具の点検、材料、歯科技工物の点検、歯科医院内の掃除、コンプレッサーやレントゲン装置の作動、冬場でしたら暖房、夏場であれば冷房・・・。 あれこれ準備をするだけで小一時間はゆうに経ってしまいます。 診療が終われば終わったらで、後片付けがあります。掃除やごみの収集、器具の清掃、消毒、滅菌、材料、薬剤の点検など。それ以外にも患者さんの歯型を下に石膏模型を作ったり、中には歯科技工物と呼ばれる詰め物や被せ歯を作るようなこともする場合があります。また、窓口の収支計算や診療の合間に撮影したレントゲン写真や写真の整理、様々な残務整理が残っているものなのです。 歯科医院によってはスタッフの間でミィーティングがあったり、勉強会を行ったり、講演会に参加することもあるでしょう。美容室ではないですが、基礎的技術のトレーニングの時間も設ける場合もあります。 月末や月初めになると診療報酬明細書の発行準備にもおわれます。
うちの場合は、診療所が自宅の隣にあるので、診療が終わり、ある程度の後片付けが済むととりあえずは夕食を取ることがあるのですが、それでも、夕食を取ってから再度診療所に戻り残務整理に時間を費やすことになりますね。
歯科医院というと患者さんが出入りし、歯医者が診療をしている姿をイメージされる方が多いとは思いますが、他の業界と同様、人目につかないところでいろんな仕事をしているものなのです。シャッターが開いている間だけ動いている職場ではありません。
どんな職場でもそうでしょうが、人目につく時間帯と人目につかない時間帯というのがあるものだと思います。どんな業界でもプロと言われる人たちは派手な仕事に目を奪われがちですが、皆が見ない間に様々な仕事をしているのが普通ではないでしょうか?人目につく時間帯というのは、職業人にとって仕事に接する時間のほんの一部に過ぎないものなのだと思います。
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