歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2007年03月17日(土) 肌のつやが違う

昨日は、下のチビが通う幼稚園の卒園式。下のチビはまだ年中なので卒園するわけではないのですが、僕はPTA会長として、年度末最後の仕事として出かけてきました。卒園式は幼稚園が主催ということで、PTA会長の僕は来賓として来賓席に座らされました。来賓か?と考える暇も無く、僕に用意されていたのは、来賓代表の挨拶。
この1年間、幼稚園行事で何度も多くの園児、父兄の前で挨拶をしてきましたが、改めて挨拶は難しいものだと実感しました。何せ挨拶の対象が園児とその保護者です。園児には園児向けの挨拶を、保護者には保護者に向けた話をしないといけないのは結構気を遣います。今回の僕の挨拶は、自己採点では可もなく不可もなくといったところでしょうか。その点、園長先生の挨拶は上手い。普段から園児や保護者との付き合いが長けているだけに短時間でツボを押さえた話しぶりは歯医者そうさんとしても参考になるところが大。
普段、僕は患者さんに対してどうしても先生目線で話をしがちですから、如何に患者さんの目線で話すかということは苦手です。それだけに園長先生の挨拶は勉強になるなあと感じた次第。

卒園式終了後、卒園児と保護者、担任の先生、園長先生に加え、PTA会長として僕も各クラスの卒園写真を撮りました。
卒園写真撮影中に気が付いたことですが、興味深かったことは、各クラス個性があるということ。わずか数クラスですが、各クラス微妙にクラスカラーが異なるのです。元気なクラス、落ち着いた雰囲気のクラス、笑いの多いクラスなどなど。この点を園長先生に確認すると、どうもクラス担任の個性がクラスの雰囲気に影響するとの事。確かに担任の先生が元気一杯なクラスは賑やかなクラスカラーですし、おっとりとした先生のクラスは落ち着いた雰囲気です。実際のところ、類は友を呼ぶというのでしょうか、元気な担任の先生の下に不思議と元気一杯な生徒が、おっとりした先生のクラスの下には大人しい生徒が集まってしまうところもあるのだということを園長先生は語られていました。

あるクラスの卒園写真を撮影している時でした。僕の隣に園長先生が座るという構図だったのですが、園長先生が僕にささやいてきました。

「会長の手の甲を見ていると肌のつやが違いますな。」
「一体何のことを言われるのやらと思いますよ。何か中年女性みたいな言い方ですね。」
と笑う歯医者そうさん。

「若いと言っても僕は今年厄年ですよ。」
「いやいや私に比べればまだまだ。私は既に還暦ですからね、やはり会長とは肌のつやが違うわけだ。」
と言いながら、続けてこんなことを言われたのです。

「私は若い頃に戻りたいとは思わないんですよ。確かにやり残したことが無いということを言われればそうではないのですが、還暦を過ぎても今が大切だと思うのですね。」
「かつて私は某社の会社員だったんですよ。縁あって数年前から教職についているわけです。毎日、園児たちと接していると新鮮な刺激を受けるんですね。還暦を過ぎた年齢であれば、普通だったら退職してのんびり余生を過ごすところなのに、自分の孫のような園児たちと触れられる。いろいろと大変なこともありますが、園児と接していますとこちらまで元気をもらうような感覚になりますね。過去を振り返るよりも今がいいと思うのですね。まあ、最近では、もし過去に戻ることができるなら、園児の年齢まで戻れるのであればいいのかな?とも思うようにまでなりましたけどね。」
「なるほど。サミュエルウルマンではないですけど、青春とは心の持ちようを言うというわけですね?」
「そのとおりなんですよ。ただし、体の衰えを否定することはできませんけど。こうやって会長の手の甲の肌のつやを比べるとその差は一目瞭然ですからね。」
「園長先生、見比べるのはいいですけど、僕にはその気がありませんからご勘弁下さいよ。」
「会長、私もその気はありませんからご心配なく、ハッハッハ・・・。」


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