最近、うちの歯科医院には子連れのお母さんの来院が多いのですが、お母さんが治療中、子供たちは待合室でにぎやかに待っていることが多いのです。 中でも特に目立つのが男の子3人連れのお母さん。お母さんが治療中、待合室で非常に賑やかに騒いでいます。受付さんの話によれば、他の患者さんに迷惑にならないように見張っているそうですが、そんなことお構いなしで ”あ〜でもない、こ〜でもない” と話している様子は、待合室だけでなく診療室の中にも聞こえてくるぐらいです。当のお母さんは ”申し訳ありません” と小さくなりながら歯の治療を受けていますが、男の子三人兄弟は実に元気です。
先週末、家族で近所のスーパーへ買い物に行った時のことです。買い物を終え、レジで清算しマイバッグに買ったものを詰めていると、嫁さんがある赤ん坊を抱いたお母さんに挨拶をしていました。
「Yちゃんのおかあさん、お久しぶりです。以前お会いした時はお腹が大きかったのですけど、無事お生まれになったのですね。」
Yちゃんとは上のチビの幼稚園時代の友達です。昨年、Yちゃんのお母さんはお目でたとなり、妊婦服を着てスーパーで買い物をしていたのだとか。その際、嫁さんとよくスーパーで会っていたそうですが、最近は姿が見えなかったとのこと。どうも赤ちゃんを出産したために自宅にいる時間が多かったようです。一通りの挨拶が済んだ後、嫁さんが僕にこういいました。
「Yちゃんのお母さん、今度のお子さんも男の子だったんだって。」 Yちゃんは二人兄弟のお兄ちゃん。下に弟がいたのですが、今度生まれてきた子供も男の子だったそうです。いわゆる、団子三兄弟になってしまったわけです。
家に帰宅してから某新聞の読者投稿欄を読んでいると、ある40歳代前半の女性の方から下のような投稿がありました。
“某新聞社が発行する小学生新聞を見ていると、投稿するのが多いのは圧倒的に女の子が多い。この偏りはなぜか?自分なりに考えてみると、女の子の方が話し好きということに尽きるのではないかと思う。もちろん、男の子にも楽しい会話もあろうが、男の子は“何でもない話”をあまりしない。“
思い当たるところがあります。うちのチビたちに小学校や幼稚園であったことを尋ねても、親が尋ねることについて返事を返すことは少ないのです。返事があったとしても話しが長続きしません。“楽しかったよ”とか“試験問題は難しかった”という具合。これが女の子であれば淀みなく話が続くことが多いでしょうが、男の子の場合はそうでないのが多いのではないでしょうか。かくいう僕もそんな男の子でした。理由を問われれば、いちいち学校や幼稚園のことをこと細かく話すのが面倒くさく、自分の興味あることを話をしたかったのではないかなあと思うのです。某新聞の投稿欄に投稿していた読者の指摘のとおり、男の子は何でもない話をするのが苦手である子供が多い傾向にあるように思います。
Yちゃんの団子三兄弟を見て、某新聞の投稿欄を読んだ嫁さんは “Yちゃんのお母さんは女の子が欲しかったのではないか?” と言います。既にいる二人が男の兄弟。三人目は女の子が欲しい。そんな気持ちを持っていた可能性が高いのではないかと言うのです。 自分にもそんな気持ちが理解できるとのこと。その訳の一つがまさしく某新聞の投稿欄の指摘そのものだそうです。このことは常日頃、嫁さんも感じていることだそうで、自分の子供でありながら男の子であるが故に会話が弾まない時があり、不満を感じる時があるとのこと。だからといって子供たちが嫌いとかではなく、愛して止まないのですが、嫁さん自身も何気ない話が好きな女の子だったわけですから、自らの子供にも何気ない話ができる子供がいてもいいなあと感じる時があるのだとか。
贅沢な悩みであることは百も承知ですし、今のチビたちのことを考えると、不謹慎きわまりないことではありますが、自分が今でも実の母親と会えば、気軽に長時間話に華が咲くことを考えると、将来的に女の子があったらいいなあと感じるようです。
それでは、 “もう一人頑張ってみるか?” と嫁さんと話すことがあります。
いつも、結論は一緒。 ”もう止めておこう。”
やはり年齢的なことが大きいです。僕は41歳、嫁さんは今年40歳になります。さすがにもう一人産むとなると高齢出産となります。無事産んだとしても後の子育てのことを考えると体力的に自信がありません。このことを考えると、ジャガー横田はよく出産できたなあと思います。 生まれたからには責任をもって育てることが親の義務ではあるわけですが、それでは、今からもう一人責任を持って育てられるかというと、なかなか決心がつきません。 しかも、産み分けに確実なものはありません。女の子が欲しいと思っていても実際にできた子供が男の子の可能性があるのです。
人間というものはつくづく欲張りなものだと感じることのひとつに子供の産み分けがあります。最初の子供が男の子であれば、次の子は女の子。最初の子供が女の子であれば、次の子は男の子。そのように感じる家庭は意外と多いのではないでしょうか?贅沢な悩みですし、自分勝手な話だと思いますが、人間というもの子供に恵まれれば、恵まれた時点で更なる悩みが生ずるものだと感じる今日この頃。
最後になりますが、今日の話、様々な事情で子供を産むことができない方に申し訳ない話ですが、何卒ご容赦のほどを。
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