2007年02月10日(土) |
参議院議員選挙の準備 歯医者の場合 |
歯科医師会は多くが公益法人であり、学術団体です。それ故、歯科医師会が組織として政治活動を行なうことはできません。歯科医師会は別組織を作りその組織が政治活動を行なっています。日本歯科医師会の場合は、日本歯科医師連盟。数年前、中医協を舞台とした汚職事件で一躍世間で名前が知れ渡りました。あまり良い意味ではないですが。
ところで、今年の夏は参議院議員選挙の年であります。既に多くの業界では夏の参議院議員選挙に向けてそれぞれの職域代表として候補者を決め、政党の支援を受け、活動を始めています。法律の関係でこれら候補者はおおっぴらな活動はしていませんが、業界内では着々と参議院議員選挙の準備を始めています。
実は、歯科医師会、いや歯科医師連盟でも既に候補者を擁立し、全国各地で選挙活動を始めています。今回の歯科医師連盟推薦の候補者は女性歯科医師。広島県出身の方なのですが、ポスターの写真を見ると上沼恵美子そっくり。 それはともかく、上沼恵美子似の候補者は、診療の合間に現在全国各地を飛び回り、選挙支援をお願いしてまわる日々を過ごされています。既に当地にも何度も来られておられています。歯科医師連盟ではこの上沼恵美子似の候補の後援会を各地に作り、ますます選挙準備を活発化させています。早々に与党自民党の公認も受けています。
歯科医師連盟の幹部の方はこう訴えます。 “我々の職域代表を国会に送り込まないと、国政の場で歯科医師の考えを直接伝え、歯科医が歯科医療の政策に携わることができなくなる。官僚の言いなりになってしまわないよう、是非とも今回の選挙では○○先生(上沼恵美子似の候補者のこと)を当選させるよう努力しないといけません。”
言われていることは理解はできるのですが、その反面、僕はどうも納得できないことがあります。 確かに、業界代表として議員を送ることは必要だとは思います。国政の場で歯科医師の考えを直接伝えられる人がいることは歯科医療の発展に大きく寄与するものだとは思います。ところが、これまで歯科医師会の職域代表が歯科医療の発展のために、国会の場で汗を流してきたかと言われると、首を傾げたくなるのです。特に、ここ数年の小泉内閣時代には、様々な改革と称することが行われた裏で、福祉医療の切捨てが行われて、多くの人が苦しんでいるのは周知の事実。こうしたことは最初からわかっていたはずなのですが、この動きを止められた無かったのも事実。小泉内閣時代、与党に歯科医師連盟の職域代表の議員もいたのですが、彼らは小泉内閣の福祉医療切捨てに異を唱えなかったどころか、賛成にまわってしまった。一体、職域代表とは何なのか?僕は疑問をもたざるをえないのです。
今度の歯科医師連盟の職域代表候補も自民党公認。政権与党から出ることで直接政策に携わることができるとのふれこみなのですが、先例を見ていると全然説得力がありません。 歯医者としての本音を言わせてもらえば、昨年、政権与党は、診療報酬改定でマイナス改定を行ないました。この改定ではほとんどの医療機関が影響を受け、対策に苦慮しています。歯科医院でも大半の歯科医院が経営に四苦八苦の状態に陥っています。ここまで政権与党に裏切られておきながら、どうして歯科医師連盟の代表が政権与党公認なのでしょう?あまりにも人が良すぎるのではないかと思わざるをえません。
複雑な思いを抱きながら、歯科医師連盟からの職域代表候補の活動を見つめている、歯医者そうさんです。
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