歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2006年12月12日(火) 偶然の中の必然

昨日、ウェッブメールを立ち上げ、ある日記書きさんにメールを書き、送信しようとした時でした。受診箱に1通のメールが届いている表示がありました。
受診箱を開けてみたところ、メール差出人は、何と僕が送ろうとしていた日記書きさんその人からだったのです。偶然といえば偶然なのですが、何の意図もなく、全く同じ時刻にパソコンの画面越しに相対し、同じ相手とやりとりしている光景。天国から神様が見ているならば、
”あの二人、同じ時刻に相手とメールのやりとりしているのにもかかわらず気がついていない、フッフッフ・・・”
と笑っていたかもしれません。

同様の体験は、インターネットユーザーであるならば体験したことが多いのではないでしょうか。何気なくメールや掲示板の書き込みをしていたところ、たまたま同時に書き込んでいたり、メールを送受信している確率は、本来はかなり低い確率であるはずですが、そんな低い確率の場面に自分が遭遇すれば、何となく得したような、お互いに親近感を抱いてしまうようなことさえ感じられるのではないでしょうか。

このような体験ですが、僕は実生活でも体験したことがあります。
今から10数年前のことでした。ある友人に電話をしようとして受話器を取り上げたところ、受話器から声が聞こえてきたのです。普通なら、受話器を上げたら“プー”という発信音が聞こえるはずなのにいきなり人の声が聞こえてきたのです。こんなことはめったにないことなのですが、僕はそんな場面に遭遇したのです。しかも、聞こえてきた声は、何と僕が電話を掛けようとしていた友人その人だったのでびっくり仰天したものです。

また、僕の人生の節目ともいう時期にこの手の体験をしたことがあります。
僕が某大学の大学院の修了を控えていた時のことでした。大学院を修了後、家庭の事情から研究現場から臨床現場に戻ろうと決心した僕は、自宅で親父と大学院終了後の研修先のことを相談していました。その時、親父が勧めたのはS病院でした。ある会合でS病院の歯科口腔外科の副部長の先生と出会った親父は、副部長先生の人格にほれ込み、自分の息子が臨床を行うなら、S病院の副部長先生の下で研修を受けるのが一番だと思ったのです。親父が熱心に副部長先生のことを説いていたその時でした。一本の電話が鳴りました。僕が電話の受話器を取ったところ、電話は大学時代の先輩N先生からでした。

“一体今頃何用だろう?”
と思いながら、N先生が話すことを聞いた僕は、大いなるショックを受けました。
N先生曰く

「そうさん、大学院を修了したらどうするんだい?もし、臨床に戻るならいい病院があるんだけどなあ。S病院なんだよ。S病院にいい先生がいるんだけどなあ。」
何ということでしょう!僕の将来を左右する話をしている時に、全く同時に親父とN先生の二人から全く同じS病院のことを勧められたのです。僕は末恐ろしく感じました。これは偶然と言えるのだろうか?いや、むしろ、必然ではないだろうか?S病院と何らかの縁があることを神様が知らせているのではないか?この知らせを無下に断れば、天罰が下るかもしれない・・・。
その後、多少の紆余曲折はありました。周囲に未曾有の災害があったため、回り道をせざるをえませんでしたが、最終的に僕はS病院の歯科研修医になり研修生活を過ごすことになり、今に至っています。

全く同じ時間帯に同じ人から知らせを受けることは単なる偶然かもしれません。けれども、少なくとも、僕の限られた経験では、偶然とは考えられない必然があるように思えてなりません。
偶然の中にも何らかの縁が含まれるケースがある場合もあるのではないか?
それ故、僕は同時間帯に居合わせるタイミングは偶然とは考えず、何らかの必然性があるからではないかと勝手に思っているのですが、如何なものでしょうね?


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