これまで何度も書いていることですが、僕の仕事は患者さんの口の中、歯の悪いところを治療することです。毎日、患者さんの口の中を見ているわけですが、悲しい性でしょうか、治療ではない日常生活においても他の人の口元に視線が行ってしまいます。
「あれ、前歯が欠けている」 「あの人の前歯は高額な自費の被せ歯だなあ」 「全体的に歯が擦り切れている」 「前歯が変色して汚れている」 「詰め物が取れかかっている」 「口の中が乾燥しているなあ」 「歯肉が腫れている」 「歯並びが乱れているなあ」 などなど。
テレビなどに映っている有名人も直ぐに口元に目がいきます。
例えば、 高島礼子は上の前歯6本はメタルボンド冠と呼ばれ高額な被せ歯である とか、 安倍総理夫人の前歯はレジン前装冠と呼ばれる保険治療の前歯が使われているが、色調や歯肉との調和が取れていない なんてことを言ったりします。
そんな僕ですが、通常、他の人の口元を見て感じたことは相手には言いません。歯医者稼業をしている者からすれば、口の中というのは見慣れているものですが、一般の方からすれば、口の中は見られて非常に恥ずかしいもの。いくら歯医者だとは言え、面と向かって相手の歯のことを指摘するのは、礼儀にに反すると思うからです。
但し、相手との間柄が親密になってきた場合、相手の口の中に何か問題があることを発見した際、僕は状況によって伝えるようにしています。このまま放置しておくとあまりよくないように思えるような場合は特にそうします。伝え方としては、相手に気持ちの余裕がありそうな時で周囲の人がいない時に、口頭で伝えるか後日、メールや電話で伝えたりします。 あくまでも僕が他人の口元を見て相手に伝えるのはお互いの親交が深まり、打ち解けた相手が対象であるということが言えるでしょう。
こんなことを書くと、誰も僕と会いたくなくなるかもしれませんね。 全くもって自分は嫌な野郎だと思う、歯医者そうさんです。
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