歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2006年10月16日(月) 歯医者がマスクをする理由

僕が歯医者であることを打ち明けると必ず言われることの一つに

”良い歯医者って知りませんか?”

というのがあります。歯医者に通いたいのだけれども歯医者の数が多いので選択するのに苦労をする。どんな歯医者を選べばいいのかわからない。そんな悩みを持っている方が意外と多いものです。
この質問ですが、正直言って、非常に答えにくい質問なのです。なぜなら、”良い”という意味が人によって異なるからです。一言”良い”といっても非常に幅広く、曖昧なニュアンスがあるのです。

そんな”良い”ですが、”良い”という意味を僕なりに想像すれば

・治療技術が高いこと
・治療の説明をしっかりとしてくれること
・患者の話をよく聴いてくれること
・先生、スタッフの言葉使いが丁寧なこと
・治療費が手ごろであること
・スタッフの対応が良いこと
・通院しやすい場所にある
・予約時間に遅れることなく治療してくれること
・診療所の設備がきれい、整っている、こぎれい、バリアーフリーであること
・器具の滅菌が行き届いていること
・先生の人柄が良いこと
・予防に熱心な歯科医院であること
・痛くない治療をすること
等々、あるのではないでしょうか?これら”良い”といわれることに共通していることと言えば、強いて言うと

自分の体を安心して任せられる

ということになるのではないかと思うのです。


以前、歯医者でない知人と話をしているとこんなことを
言われたことがあります。

”専門のことは専門家が一番良く知っている。ということは、良い歯医者は医者が一番良く知っているはず。それなら、歯医者の主治医である歯医者を教えてもらったらいいじゃないか?”

なかなか鋭い指摘だと思いました。
歯のことを専門にしている歯医者であるなら、歯医者の表裏も知っているに違いない。それならば、歯医者が診てもらっている主治医を紹介してもらうのが一番確実ではないか?
確かに一理あると思うのですが、それでは歯医者がどんな歯医者に診てもらっているのでしょう?その実態とは?

意外に思われるかもしれませんが、歯医者は互いがどんな診療をしているかわからないことが多いのです。自分が勤務していた診療所の先生ぐらいなら他の歯医者の知識、技量、診療姿勢、診療体制などわかるものです。
ところが、歯医者同士の付き合いとなると、表面的な付き合いであることが多いのです。かくいう僕もそうです。地元歯科医師会などで付き合いのある先生は数多くありますが、そんな先生方がどんな診療をしているかが知らないのです。実際のところはお互いに話をしていると、その内容から歯医者がどんな治療をしているのか想像できることもありますが、実態を知る機会が非常に少ないのです。
結局のところ、自分が信頼できる歯医者の主治医を見つけられないまま、自分の歯を放置してしまっている歯医者が意外と多いのです。

僕の周囲を見渡しても、
・歯の欠けたまま放置している先生
・歯周病がひどく口臭がする先生
・歯が抜けたままの先生
・むし歯を放置している先生・・・・

医者の不養生そのものです。

器用な先生は自分の歯を自分で治していると言っている先生もいますが、自分の口を自分で治すというのは視野の関係で非常に難しく、確実性に欠ける場合が多いのです。

ほとんどの歯医者は診療中、マスクを着用していますが歯医者が歯科医院でマスクをつけている理由は、

”自分の歯のひどさを患者さんに見せたくない!”
ということかもしれません・・・・。


誤解のないようにしてほしいのですが、全ての歯医者が自らの歯が悪くはないということを最後に書いておきます。



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