歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2006年05月24日(水) 外で大声で僕の名前を呼ばないで!

皆さんは、外出しているときに知人や友人の姿を目にした時、どのように声をかけますか?僕の場合、自ら知人や友人の近くに近づいて声を掛けたり、肩を叩いたりして知らせるようにしています。状況によっては目線だけで合図を知らせたり、軽く会釈をするだけで済ますこともあります。状況に応じて臨機応変に対応しているつもりですが、大切なことは公衆の面前であるということです。周囲に知人や友人以外の人がいないなら問題はないのですが、多くの場合、知人や友人以外に多くの人々が行き来しているような場所では、自分の存在を知らせるためにあまりにも大きな声を掛けることは、場の雰囲気を乱したり、公衆の中でのマナーに反するのではないかと思うのです。

先日、僕はとある場所で買い物をしていたのですが、その際、何気なく顔を上げた時にたまたま視線が合った人がいました。
”どこかで見たことがある人だなあ?”と思っていると、相手の方が僕の方へ近づいて会釈をされました。

「こんな所でお会いするなんて奇遇ですね、先生。白衣でない普段着姿の先生を見るのは初めてですよ。」

その方は長年うちの歯科医院を受診している患者さんでした。僕自身、思いがけぬ所で思いもかけぬ人と出会ってしまったわけですが、僕よりはるかに年配の患者さんにも関わらず、僕の所まで近づき、穏やかに声を掛けてくれたというのは実に有り難く感じたものです。そのスマートな挨拶ぶりを是非僕もマスターしたいものです。

その一方で、逆のこともあります。それは、いつもよく出かけるショッピングセンターでのことです。そのショッピングセンターの中には写真屋さんがあり、僕は買い物に出かけるついでに写真を現像したり、証明写真や写真入り年賀状をお願いすることがあるのです。何度も足を運んだせいでしょうか、その写真屋さんに僕の顔と名前をすっかり覚えられてしまい、今では店に行くと必ず

「毎度有難うございます、○○さん(僕の本名です)」
と声を掛けられます。

最近、僕の叔母がその写真屋さんへフィルムの現像をお願いし、出来上がった写真を撮りにいったのですが、写真屋さんが中身を確認していると、僕が写っている写真を見て思わず

「あっ、○○さんだ!」
と言われる始末。随分と写真屋さんに顔を覚えられたものです。

まあ、これだけであれば何も問題はない、客を大切にする写真屋さんだと言えるのですが、困ったのは写真屋さんに用事がない時にも声を掛けられるのです。写真屋さんはショッピングセンターの入り口近くにあるというロケーションです。そのため、僕がショッピングセンターに入る時には必ず写真屋さんの前を通らなければ中へ入れないのですが、最近、写真屋さんの前を通る度、

「○○さん、こんにちは!」
と声を掛けられるのです。それもかなり周囲に響く大きな声で。

声を掛けてくれること自体は悪い気はしないのですが、公衆の面前ということを考えると、そこまで大きな声で僕に声を掛けなくてもいいのではないかと言いたくなるのです。写真屋さんにとって僕は顧客の一人なのかもしれません。そのため、顧客を大切に思うがあまり、僕がショッピングセンターに入る際には大きな声で声を掛けてくれるのかもしれませんが、僕にとって写真屋さんは単に写真の現像をお願いするだけの商売上の関係であって、個人的な付き合いというのはないのです。そんな間柄を考えると、そう大きな声で気軽に僕の苗字を呼んで声を掛けるというのは、如何なものかと思うのです。将来的に友人や家族ぐるみの付き合いみたいな関係になる可能性もゼロであるとは言いませんが、今のところはそれほど深く付き合う関係ではないのですから。

今後、あまりにも度が過ぎるようであれば直接写真屋さんにお願いするしかないとは思いますが、願わくば、大きな声を掛けられて僕が嫌がっていることを気がついて欲しいと思うのですが、どうでしょうねえ?


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