2006年04月20日(木) |
機械は動いてなんぼのもの |
先週末、我が愛機である診療台の装置の一部が不具合を起こしました。その装置とは、毎日の診療で使うもので欠かせないものでしたので直ちに修理が必要でした。そこでうちに出入りしている歯科材料店の担当者を通じ、診療台メーカーM社のサービスマンに来院してもらうようにお願いしました。
M社のメンテナンス担当のサービスマンは昼休みの時間帯にうちの歯科医院へやってきました。事情を話し早速修理をしてもらったのですが、そのサービスマンはベテランのなせる業ともいうべきでしょうか、わずかな時間で不具合の原因をみつけ、手際よく修理し、交換すべきところは交換して作業を終えました。直ぐに対処してもらいその日の午後の診療から支障はなくなってほっと一安心したわけですが、それにしても最近僕の診療台は何かと故障があるのは気になります。そこで、僕はこのサービスマンにそのことを尋ねてみました。
「今回修理をお願いした診療台は購入して20年以上になります。最近、結構な頻度で不具合が出てきているように思うのですが、そろそろ新しい診療台を購入してもいい時期ではないかと考えているんですが。」
そのサービスマン曰く、
「我々メーカー側としては、先生が新しい診療台を購入していただくということは大歓迎ですよ、ハッハッハ・・・・・。」
「ただ、この診療台を見ていますと、既に使用されてから20年以上経っているのはよくわかるのですが、元々の診療台の構造が今のものに比べてシンプルですし、丁寧に扱っていらっしゃることもよくわかります。部品の中には限界に達したものもありますが、我社のポリシーとして、先生方が使用されている診療台が機能している限りは交換部品、パーツは残しておきます。最近の診療台は多種多様な機能が付属しているのが多いのですが、機能が増えるに従って中の構造も複雑になってくるものなのです。そうなると一度不具合が起こると原因を探るのも一苦労です。今回のように現場に行ってその場で修理が利くことができない場合もあるんです。そんな反省から我社では、以前に販売させて頂いたシンプルな構造の診療台を見直すことになりまして、現在そのリバイバル製品みたいな診療台を売り出しています。その診療台の交換部品は、実は先生の診療台と同じものなんですよ。そういったことから、今後不具合が出たとしても部品には困りませんからご心配しないで下さい。」
「機械って何物でもいえることですが、動いて何ぼのものだと思います。動いていると当然のことながら耐久性の問題が出てくるわけですが、それでも、動かしていないよりはずっとましです。機械というもの、一度動かさなくなると、その時点からどこかで不具合が生じ始めると言っても過言ではないんです。常に動いていることで機械としての性能を保つことができる。それが機械というものなんです。
こんなことを言うと何ですが、機械は人間とよく似ていますよ。毎日働いているうちは元気だった人が仕事をリタイアし、悠々自適になって何もしなくなった途端ダメ人間になるという話は結構耳にする話です。悠々自適になっても仕事や仕事にかわる何か打ち込めるものを持っている人はいいのですけど、何もしなくなると頭を使わなくなりますから、自然と痴呆になってしまうなんてこともあるみたいです。まあ、機械も人間も、忙しく動き回っているうちが華ということでしょうかねえ。」
確かにそのとおりだと思った、歯医者そうさんでした。
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