歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2006年04月19日(水) 鉛筆とノート

この4月より小学校2年生になった上のチビは、家に帰ってくると宿題をしているようです。昨日、たまたま診療の合間に自宅へ帰らなければならないことがあり、自宅に戻ったところ上のチビが宿題をしているところが目に入りました。何やら神妙そうな顔つきでノートの上に鉛筆で書いていたのは漢字でした。どうも国語の宿題で漢字の練習があるようで、同じ漢字を何回もノートに書いていたのです。

思い起こせば僕もそんな時代がありました。小学生の頃、毎日の宿題の中に漢字の練習があり、下敷きを敷いたノートの上に鉛筆で何回も漢字の練習をしていたものです。なぜかわからないのですが、当時僕はシャーペンを使うことはなく、ひたすら鉛筆を使っていました。鉛筆は使っているうちに字が太くなるもの。その度に手回し式の鉛筆削りで鉛筆の先を削りながら漢字の練習をしていたものです。

普段、何か報告書を提出する際、鉛筆を使用することはほとんどありません。多くの場合、パソコンのワープロソフトを使用しプリントアウトしています。ワープロは便利です。何度も文章の加筆、修正がききますし、知らない漢字も変換機能で直ちに打ち込むことが可能です。最近のプリンター機能の向上により非常にきれいな印字が可能となったので、乱筆の僕でもワープロを用いて打ち出した文章は誰でも容易に読むことができます。

そんな便利さの反面、書くという体を使った行為からは縁遠くなってきているように思います。普段治療をしているとカルテを書かないといけませんのでカルテは手書きで書いているのですが、カルテは規則上ボールペンまたはサインペン等を使用しないといけないことになっています。それは仕方のないことだと思うのですが、何だか紙に書いている気がしません。

鉛筆で紙に書くということは、忘れていた体で表現することを実感するように思うのです。紙に鉛筆で書くことは、表現者としての自分を再確認するような行為のように思えてなりません。

上のチビが漢字を書いている姿を見て、久しぶりにノートに鉛筆で書きたくなった歯医者そうさん。ノートの上に鉛筆を用いてつれづれなるままに書いてみると、やはりいいですね。鉛筆がノートの上を擦る感じが何とも心地よさを感じます。日頃忘れていた何かを思い出し、感覚を取り戻したような気がしました。


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