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2022年12月20日(火) |
The Gift of Nothing |
ノエルの混乱真っ盛り。車を持たず、買い物の殆どをネットで済ませてると、この時期は毎日のように何かが起きる。食料の配送、来ないと思ったら、配送会社がアドレスに辿り着けずショップに持ち帰ってた。配送会社がアドレス見つけられないっていうのが日本から来るとなんじゃそりゃだけど、そんなことはよくある。
「電話番号書いたよね?誰からも電話すらなかったけど。それにわたしの家はトラックが入ってこれないような所じゃなくて町の中心なんですけど」
「うーん、配達員が電話持ってるとは限らないし」
あっ、そう。今どきカーナビのないトラックに電話持たない配達員を乗せて送り込むわけね。そりゃ、辿り着けないね。ただでさえ、しょっちゅう物が途中で消えたり、全部割れて届いたり、配達中の事故が多いのに、この時期は日雇いみたいな人達に頼ってるのか、一段と事故が多くなる。まったく、なんてぶつくさ言ってたら、今度はシャワーがぬるい。いや、ぬるいどころじゃなくて、殆ど水。エレクトリシャンを呼んだら、すぐに来てくれて、直してくれたのはいいが、彼の指摘によって給水タンクが家のとんでもないところに付けられてることが発覚。建築士の設計ミスによって、このレジデンス全体そんなことになったと長老から聞く。配管工がこのレジデンスの給水タンクに関わりたがらない理由がわかった。今後給水タンクに何かあったら?なんて想像して、どんより気が重くなった。
最近は毎晩ベッドの中でロクちゃんに本を読んであげてる。1歳半くらいまでは本を与えても破ったり舐めたりするだけだったけど、ここへ来てぐーんと理解力が出て、本当に楽しんでるみたい。まだ大して話せはしないけど、フランス語、日本語、英語、スペイン語、イタリア語全部理解出来てるみたい。中でもいちばん気に入ってるのは日本語の絵本。やっぱりしかけとかよく出来てるし、よく研究されてるものね。
「本読んであげるから持っておいで」
と言うと必ず手にとるのは「のんたん」。うさまるとかのんたんとか単純な線で描かれたものが好きみたい。
ロクちゃんの本はもう繰り返し繰り返し読んでしまったから、昨夜自分の本棚から絵本を引っぱりだしてきた。ノエルの時期にぴったりのこの本、"The Gift of Nothing"を読んであげた。どんな経緯でここに来たのか、テキサスのヒューストンの国立図書館から売りに出された本らしい。ロクちゃんにはこの話は少し難しかったみたいだ。猫のMoochが犬の親友Earlに何かプレゼントしたいと思いつくのだけど、Earlは既になんでも持ってる。あれこれ考えたMoochはNothingをプレゼントすることにする‥。愛らしいストーリーで結末は毎度胸がキュンとする。ノエルは特に何もしなかったけど、今はロクちゃんの誕生日がくっついてるから、少しだけ何か特別なこと‥と考える。もう彼は十分すぎるくらいあれこれ持ってるからパパとママはおもちゃなどは買わない方針。あとは栗のおこわと味噌汁、ココナッツミルクのカレー、パンゾッティ、マッシュポテトとか彼の大好物を作って過ごす予定。昨年リュカとロクちゃんにとそれぞれテーブルの上にプレゼントを置いといたら、二人とも喜んでビリビリ包装紙を破いてたから、今年もそれはやろうと、リュカにはパジャマ、ロクちゃんには大きな卵型のチョコレート(スーパーで欲しそうに手にとって眺めてた)を包んで隠してある。独身の頃、このくらいの時期によく働いた自分に、と毎年髪飾りを買ってた。でも今はめっきり白髪が増えてしまって、この中途半端な白髪頭を黒く染めとくことで精一杯。きれいに全部白髪になってしまったら、それに合う色の髪飾りを選ぶのもいいが、それはいつになるのか。この国に来て以来、この時期わたしが欲しくなるもの。それは「動じない心」。そうでないと、一挙一動理不尽なことが着いてまわってくるこの国ではやってけない。