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2021年03月23日(火) |
母子だけではじめてのお出かけ |
今日でロクちゃん生誕3ヶ月となった。フランスは3度目の外出制限中だが、歯医者の予約があり、ニースへ出かけた。母子だけではじめて電車に乗ってのお出かけ。
電車はガラガラで、一両貸し切り状態。トイレに行きたくなってもロクちゃんを中まで連れていかずにすんだ。母が送ってくれたケープをかけて授乳する。こちらにはこういうのないのか、公園なんかで使ってると、人々の視線を感じる。中で何かがモゾモゾいってるから、不思議なのだろう。
ニースの街も人通りが少なく静か。外出中には声ひとつ発しないロクちゃんが、今日は珍しく歯医者で治療中に泣き始めた。助手のお姉さんがカートを揺すったりしてあやしていてくれる。治療が終わり、おむつを見たら沢山ウンチをしてた。不快だったんだろう。許可を得て、歯医者の待合室でまた授乳。今度は助手のお兄さんが”水飲む?”などと聞いてくれる。フランス人の犬好きは有名だが、彼らは赤ちゃんも本当に大好き。見ず知らずの人もベイビーカートの中のロクちゃんを見たがったりする。そして”なんて可愛い赤ちゃんなんでしょ!!”と目をきらきらさせて言うのだ。妊娠中も公共の場で席を譲ってくれたり、レジで先に通してくれたり、みんな本当に妊婦や子供連れの人に親切。この後も買い物に行ったら、大きなカートに商品を積んで運んでたお兄さんが、
「ショッピングカートならどいてっていうけど、赤ちゃんにはどいてとは言えないなぁ。どうぞお通りください」
と自分がどいてくれたりした。段差があればすぐに近くの人がよっこらしょっとベイビーカートの端を持ち上げてくれたり。いつも文句も沢山言ってるけど、フランス人のこういう人間性は本当に素晴らしいと思う。
帰りの電車は朝より少しだけ混んでた。同じ町に住んでて、電車でよく会う顔見知りのお姉さんとはじめて話した。彼女は腕が片腕しかないのだが、いつも小さな女の子をベイビーカートに乗せて押していて、更にその腕にリードを引っ掛けて、大きな犬まで連れてる。
「ニースで働いてるんですか?」
と話しかけた。
「いいえ。この娘が気管支に問題があって、医者に通ってるの」
片腕しかないと自分の面倒すら大変そうなのに、病気の娘と犬と面倒見るとなると・・・両腕あってもロクゃんでいっぱいいっぱいのわたしには想像のつかないことだった。電車の中でトイレに行く時は彼女がロクちゃんを見ていてくた。
こうして親切な人々に助けられ、なんとか母子だけのはじめてのお出かけから無事に帰宅することができた。
家の近くでは、季節がくると箱いっぱいに"servez-vous(ご自由におとりください)"と書かれた箱いっぱいのレモンが置かれる。庭にレモンの木を持ってる人が置くらしい。これ、 Bioだし、果汁が沢山絞れるとてもいいレモンなので、いつももらってきてる。今年はみかんも置かれてた。種が多くて、十分甘いもののやや野生味。サラダや果汁を絞って水の代わりにしてパンを焼いたりして楽しんだ。もう柑橘系の果物の季節もぼちぼち終わりだ。