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ノエル辺りからリュカの勤務する病院で死人が激増してる。死体の置き場に困り、苦肉の策でレクリエーション・ルームが潰されたというくらいに。生きてる患者も大勢がコロナに感染してる。今フランスでは、全ての医療従事者にワクチンの摂取を義務付けるということが検討されている。リュカのコロナ感染も心配だが、ワクチン接種も心配だ。
昨年の春崩壊してからまだ放置されてる我が家のカーヴ。大雨でカーヴの裏の壁が崩壊して、その瓦礫が我が家のカーヴの屋根に崩落するという事故。我が家もこの家の家主も保険には加入してるが、まずはこのカーヴの裏の壁のオーナーが誰かというところから話は始まるのだが、これがもうマフィア臭むんむん、みんなシラを切っていて、まったく進まない。夏が過ぎ、放置された瓦礫の間から雑草が生え、秋が過ぎ、年越ししてもまだこのまま。そして家主がなんとか突き止めた壁のオーナー。この人は一見優しいおじさん風で、通りで会えばわたしを"マドモアゼル(お嬢ちゃん)"などと呼んで手を振ったりするのだが、目つきがどこか不穏な感じなのだった。痺れを切らして、町長に訴え続けた家主からリュカの電話に残されたメッセージを聞いてひっくり返る。
「今日判明したことは、町長はシラを切り続けてる壁のオーナーの父親でした」
保険に加入してないとかそんなところなんだろうな。カーヴは今年も放置か。