My life as a cat
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2021年01月01日(金) 瞬きもせず

産院から帰宅して一週間が経とうとしている。赤ちゃんの泣き声が耳にストレスなのだろう、クロちゃんは数日家出気味で心配だったが、ようやく慣れてきたのか、以前と同じルーティンで暮らせるようになってほっとした。ロクちゃんは突然おっぱいが上手に飲めるようになった。リュカはいつもはちょっとした物音で目が覚めたりしてたのに、ここ数日はわたしが夜中に起き出して授乳しててもオムツを替えてても気付かず眠っていられるようになった。今は休暇中でも仕事がはじまったらわたしのように日中仮眠できないから、これすごく大事。わたしは、妊娠中15kg増えた体重は既に8kg減った。大きくなった子宮は6週間かけて元に戻るというが、産後10日で既にかなりへこんでいて、肋の骨が浮いて見えるようになった。仰向けになって眠れることで短時間でも質の良い睡眠が取れてる。妊娠中、体が辛いせいで精神的にも落ち込みがちな時があった。ところが周囲の人は"あともう少しすれば楽になるから"という励ましの言葉なんかじゃなく、"出産したらこれまた夜中に起こされたりして休む間もなくてもっと大変だよ"などと追い打ちをかけてくるではないか。"産後鬱"とか、"育児ノイローゼ"とかそんな言葉が脳裏をかすめて、すっかり不安になっていたのだが、心配いらなかった。体が楽になったことで精神的に開放された。そして、ロクちゃんはすぐに大きくなっていってしまうんだと思うと瞬きもせずずっと見つめていたくて、彼のために夜中に起きることすら嬉しいのだ。手がかからなくなったらきっとそれはそれで淋しいに違いないもの。今しか体験できない"子育ての大変さ"を存分に味わいたい。それにしてもわたしいつからこんなになったの?(笑)(写真:お風呂の大好きなロクちゃん)
                          
正月はこれといって何もない。出産を控えてて、ノエルも正月もどうなるかわからなくて、12月の中旬にはノエル恒例のローズマリーポテトも正月恒例のぜんざい(今年はリュカが突いた突きたての餅で。美味しかったな〜)も既に食べてしまった。家にあるもので何か作ろうと、新年は4本指のカヴァテッリ、パン粉のソースではじまった。何度食べても食べる度に"イタリア人は食の天才!"と唸ってしまう。口の中で幾重にも感じるカヴァテッリの噛みごたえ、パン粉のカリッとした舌触り、こんな少ない材料でこんな複雑で絶妙なハーモニーのレシピを生み出せる人々。デザートにティラミス。妊娠中、わたしに付き合って大好物なのに我慢して食べなかったリュカのために大きな大きなのを作った。

おっぱいをあげながら、ぼんやり目に映る景色はなんとも甘い。カウチに寝そべる猫、毛糸玉、編みかけのニット帽、必死で母乳を飲む赤ちゃん・・・。

今年は新年の目標を掲げる。フランス語上達。自分の感情を感じたそのままに違和感を感じず言葉選びができるくらいには。ロクちゃんの母国語になるのだから、わたしも頑張らなきゃ。


Michelina |MAIL