My life as a cat
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2020年10月10日(土) お手軽なシンガポールの風

先日の大雨で、近隣の村ではいくつか壊滅的な場所もあり、死者や行方不明者がでた。この辺りの村は山に囲まれていて、一度山道がふさがってしまうと、たちまち世間から隔離されてしまうような場所が多い。今週は朝から食糧支援や人の搬送のためヘリコプターが忙しく上空を舞っていた。マクロン大統領も視察にやってきたというくらい被害は大きいようだ。不幸中の幸いはまだ冬がやってくる一歩手前だったということくらいか。子供ができるのをきっかけに家を購入しようか、と少しずつリサーチをはじめたところだが、こういう自然災害も念頭に置いて検討したほうが良さそうだ。

大きなアジア食材店があるというので、行ってみた。こんなのがあるのか、と見るのは好きだけど、結局は大した買い物はしない。フランスは日本と比較しても断然質の良い食材に恵まれてる。プロセスフードでさえ質は上だ。ポテトチップスのようなスナック菓子ですら塩味といったら塩以外のものは使わず味付けされてるのが売ってる。わざわざ遠くで作られて、原材料の出どころもよくわからなくて、添加物だらけ、やがてゴミになるプラスチックに封じこめられて、時間をかけて送られて、挙句高い税金をかけて売られるものを購入する気にはならない。ともあれ、今日は化学調味料不使用のシンガポールのラクサを作れるキットを見かけて買ってみた。5.5ユーロ(これで2人分できる)とちょっとお高いけど、シンガポールに行ったことのないリュカにも食べさせたかった。"奮発して"もやしや揚げ豆腐なんかも買って、最後に大きな地元のスーパーで海老を数尾購入して帰る(クロちゃんにも夕飯にあげたらすごいがっつきようだった)。

即席だけにたった10分でラクサは完成した。だが、これ本格的で現地のホーカーの味と変わらないではないか!恐らくだが、シンガポール人もラクサを自宅で作ったりはしない。日本人がカレーをルゥから作らないのと同じ理由だろうと思う。わたしも何度かそれっぽいものは自分で調合して作ってみたが、やっぱり難しくて、こんな深みのある味には仕上がらない。化学調味料不使用で、途中で舌が痺れてきたり、食後にやたら喉が乾いたりすることもなく後味がないのが気に入った。リュカもとても気に入ったようだ。最終的なコストを計算してみたが、一人前で4ユーロというところ。4ユーロでシンガポールのホーカーにトリップできるなんて全く悪くない。脳内にあの湿気と熱風が立ち込めた。ちょっと衛生的に心配なホーカーに腰掛けて飲むコピや、八百屋で買って歩きながら食べるドリアンの味、全てがガラクタかはたまた宝の山かといううくらい雑然としたインド人街。三晩も過ごすと嫌になってしまうこの国だが、またいつか立ち寄りたい。


Michelina |MAIL