My life as a cat
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2020年07月20日(月) 誕生日のトゥルトーフロマージュ

今年の誕生日、リュカの手作りはトゥルトーフロマージュ(tourteau fromagé)だった。フランス中西部のポワトゥー・シャラント地方の郷土菓子でフレッシュな山羊のチーズで焼くタルト。職人の失敗から生まれたお菓子なのだそうだが、フランスってやたらこの"失敗から生まれた"というものが多い。タルトタタン、クイニーアマン、クレープシュゼット・・・。青カビのロックフォールだって失敗からというし(しかしこれを最初に食べた人ってすごい)。そしてそういうのいかにもフランス節だなって感じる。アトリエのマダム達なんてしょっちゅうお喋りに夢中になって色んな物焦がしたり入れ忘れたりしてるもの。そういう失敗を上手に取り繕う能力は買うけどね。

さてトゥルトーフロマージュのお味は・・・。真っ黒焦げの見た目の裏腹にこの部分はそう苦くはなくて食べられる。リュカのはちゃんとした型とか使わなかったせいだろう本来の物のようにぷっくら真ん中が膨らまなかったけど、食感はカステラとカスタードプリンの間の子みたいな感じ。味は少しだけ山羊のチーズ独特の味がする程度。似たようなお菓子にバスクのチーズケーキ(Gâteau au fromage basque)というのがあって、これは牛のチーズを使うものでもう少しカスタードプリン寄りなのだが、わたしはこちらのほうが好きだな。

昨夜、リュカが家族とのビデオコールでやっとわたしの妊娠を伝えた。彼らの反応といったらさすがラテン系と言わずにはいられない。サッカーの試合で優勝でもしたみたいな騒ぎ様だった。リュカの両親にとっては初孫。すごく喜んでくれたのでわたしも嬉しくなった。でも候補にあがってる日本風の名前を教えたら、みんなでやりにくそうに発音してたのでちょっと気の毒になった。Rの入った名前は自分が発音できないからパス。Hの入った名前もフランスではHを発音しないからパスとあれこれ考えてはいるのだけど。でもやっぱり響きが日本風なのがいいな。だってわたしの息子がピエールとかジャン=ジャックとか想像すると違和感すごいんだもの。それにクリスチャンのカレンダーから選んでる人達ってやっぱり名前のバリエーションが少なすぎて個性感じないし。


Michelina |MAIL