My life as a cat
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2020年06月10日(水) 代替えばかりの人生

体調が回復してきたら、急にやる気が漲ってきた。手抜きしてすっかりくすんでた自分の肌や髪の手入れから、埃が溜まってた家の隅まで、一揆に磨きをかける。ウォーキングしても足取りは軽く、"妊婦もできるバレトン"とやらをはじめて、久々に脚の筋肉痛を味わう。そしていつの間にか心もすっかり変わってきたことに気付く。30代前半、映画館で"ベンジャミン・バトン"を観た。映画の中でケイト・ブランシェット演じるデイジーが43歳という設定で如何にも自然な雰囲気で"妊娠したわ"とベンジャミンに告げるシーンがあって、ぎょっとした。妊娠とかについて何の知識もなかったから、そんな年でも出来るんだっ!とただ驚いたのだった。映画の後一緒に観に行った人と夕飯をとりながら、そのことについて結構強烈な高齢出産なんじゃないか、とかそんなことを話したのを覚えてる。自分の妊娠を知った時、ふっと頭に浮かんだのは"自分がベンジャミン・バトンになっちゃったよ"ってことだった。でもこの年だと流産の可能性もかなり高いみたいだし、と半信半疑のままつわりに取り憑かれて、ただ不調な体を引きずって暮らしてた。それが、体調の回復と同時にすっかりお腹の子犬ちゃんに愛着が沸いてて、"失いたくないもの"に変わってることに気付いた。それで決めた。半信半疑はやめて、ちゃんと産まれてくるって前提で準備を進めよう。またいつ具合が悪くなってあれこれ出来なくなってしまうかわからないから、体調が良くて出来る時にやろう。100均なんかで買ってきたものでお金をかけずに工夫して、子供服やおもちゃを手作りしてるお母さんのBLOGを見てすっかり感化されて、わたしもこうやって創意工夫でお金をかけずとも愛情だけはしっかり感じられるような物を子供に与えていきたいと思った。大したお金もかけないつもりなんだ。もし失ってしまうようなことがあれば、それまで準備したものはわたしより1ヶ月先に出産予定のリュカの友達にあげればいいじゃないか。人生は良くも悪くも自分の思った通りには進まない。でも、大切なのは"うまくいく"って信じること。そう信じてる人は、思った通りに進まなくても、流されてしまった場所で違う形の幸福が待ってるものだ。人生はいつでもどこでも代替がきく。こうでなければ幸せでないとか、こうなったら不幸だなんて決めずに、これでもあれでもまぁいっかとやっていきたい。まだこの国に精神が融合できず悪戦苦闘してるわたしの産む子供はフランス人になっちゃうことが不安だった。でもそれもわたしは子供と一緒にこの国の精神を学んで一緒に理解していけばいいか、と思えるようになった。

今日は余り布でベビースタイを作ってみた。ミシンはないんで手縫いでざっくりだけど、なにせ小さいから結構簡単にできた。折り紙ぞうさんは未完成のモビールのパーツ。小さなものをちまちま作ってる時って"女の子"気分で幸せだ。


Michelina |MAIL