My life as a cat
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2020年03月24日(火) 日本の恋しいもの

オンラインで購入した猫と人間の食料が配達される。朝一、猫の食料の配達の人(GLS)からリュカのケータイに電話がある。予定より1時間早い。

「いつも早いか遅いかで、書かれてる時間内に来たことない」

とまだ寝ていたリュカは嫌々起き上がる。10分後に到着。家の前までもってきてくれるわけではないので、通りに降りる。若いドライバーのお兄さんがトラックの後ろのドアを開く。中を覗いて卒倒しそうになる。どの箱も上下逆さまとか、横向きとかに置かれて、スカスカだからトラックの振動と共にトラックの荷台で踊らされることになるんだろう。先日慎重に2重に梱包されたセラミックの皿が見事に割れて届いたのもこれ見て納得。お兄さんはわたし達の荷物を横向きに地面に置いてにっこり笑って去ってった。

そして午後、今度は人間の食料が来る(これもGLS)。ドライバーからリュカのケータイに電話がある。

「そっちの方向から来るなら、そのままメイン通りを進んで薬局を左に見て、更に50mくらい進んで大きなゴミ捨て場を左手に見たら、その小さな路地を入って」

こんな簡単な説明が理解できず、リュカに5回も同じこと言わせる。大体、配送会社なのにナビとか装備されてないトラックで来てるの?自分のスマホとかもあるよね?うちは大通りから一本入れば着くのに結局5回説明してもたどり着けずリュカが大通りまで歩いて探しに行く始末。その上、リュカを見つけたその大通りで大きなダンボール2つをそこに置いて去ってったから、リュカは家とその場を往復して荷物を運ぶ羽目に。

外出禁止でオンラインの注文も増えてるのかもしれないし、そんな中仕事にでて配達してくれることは感謝するけど、あまりにものプロ意識の低さに本当にがっかりする。日本では隅々まで磨きがかけられた惚れ惚れするようなプロの仕事をよく目にした。時間通りにやってきて、さっと荷物をおろし、笑顔でお辞儀をして颯爽と去ってくあの日本の配送会社の人達、それが標準で当たり前みたいに受け取ってたけど、今思い出すと本当に眩しいな。サービスする側のストレスは知ってる。時間内にいくつの家を回らなきゃいけないのか、プレッシャーだろうなって。家族との時間を犠牲にして仕事にのめり込んでっていうんじゃなくて、時間内にきっちり自分の役割をこなして、あぁ自分今日もよくやった!ってビールで乾杯して心地よい眠りにつけるような仕事をする。この国には学歴は高いのに、それに見合った職業に就くことが難しくて、ショップの店員やレストランのウェイトレスとかになって明らかに不貞腐れてて"わたしの能力に見合った仕事じゃない"という態度をとる人などどこにでもいる。職業やタイトルだけで人を区別(差別ともいう)するという社会の風潮も良くない。大切なのはその人がどんな風にそれに取り組んでどんな成果を出してるかじゃないの?なんて思うのは日本的なのかな。日本食恋しいでしょ、日本の家族恋しいでしょって聞かれるけど、一番恋しいのはプロ意識を持って働いてる人達かな。


Michelina |MAIL