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2020年02月16日(日) |
かけがえのない日常風景 |
「この間撮った写真くれない?」
「このフォルダに写真全部入ってるから自分で選んでコピーして」
と開いたリュカのフォルダ。そこにはわたしの知らない写真がいっぱいあった。一緒にいたのに、目にも留めなかったものや、自分が作ったのにすっかり忘れていたもの、リュカの目線で撮影したわたし。庭の手入れをしているわたしの後ろ姿、雪の日にバルコニーに作った猫雪だるま、リュカの誕生日に作った大きなショコラのケーキ、焼いたクッキーを入れた手作りのラッピング用紙、東京駅で買って新幹線の中で食べたお弁当・・・。
あぁ、このお弁当はリュカが長距離のバスに乗る時に余り物の中華饅頭とシシリアのパスタ・ミスタを詰めて中にメッセージを添えて持たせたんだっけ。
リュカがわたしと一緒に作った思い出を大事にしまってあるのが伝わってきて、目頭が熱くなった。
「あなたは相当わたしのことを愛してるね」
とからかうように言ってみる。
「当たり前だよー。君のいない人生なんて想像できない」
今日は近所にできた新しいお店のオープニングパーティーをちょこっと見にいった。手土産に薔薇をくれたりするのがフランスっぽいな。ちょこっとアペロをして帰宅して、テラスでランチにする。昨夜じっくり煮た香味野菜たっぷりのトマトソースのパスタ。
「すっごいお腹すいてた」
とリュカ。
「さっきのパーティーで何かつまんでくればよかったのに」
「だって君が焼いたパンが食べたかったから我慢してお腹空かせてたの」
嬉しいことを言ってくれる。じゃぁ、好きなだけどうぞ、と山盛りにしておく。
何はなくとも何でもある静かで暖かい週末。この先も写真に残しておきたくなるような日常風景をリュカと一緒に作り出していけたらいいな。