My life as a cat
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2020年01月13日(月) 自然はちゃんと教えてくれてるのに

キャンベラにいるexと話す。去年9月に起きたブッシュファイアはまだ燃え広がっていて、彼のいる場所も空気の汚染レベルは相当酷くて車にカヴァーをかけないと真っ赤な錆のような埃に取り巻かれるとかそんな話を聞く。キャンベラから一度だけ海へ出かけた。Batemans bayというところ。観光地なんかじゃないけど、美しかった。誰もいないビーチで泳いで、目についたイタリアンレストランに入って食べたパスタはとびっきり美味しかった。ブッシュの中をドライブすること2時間。途中で死んでいるウォンバットを見かけて、野生のは初めて見たので写真を撮ったりした。そのブッシュも焼けていて閉鎖されているのだそうだ。写真を撮りたくてカンガルーを追いかけたブッシュ、町を見下ろそうと登った大きな木、あれこれフラッシュバックして、かつてあれほど愛したものが死んでいくということが悲痛だった。ブッシュで死んだ沢山の野生動物(焼け死ななくたってその後食料の不足したブッシュでどうやって生きていくのか・・・)、ラクダの射殺、動物たちはいつだって人間優位の社会の犠牲になる。オーストラリアに住んでいた時、この国は100年後はもう人が住んではいないのではないか、と感じた。雨が降らなくて水がないのに、移住する人は年々増えて、経済発展も目覚ましい。こんな乾きの激しい大地で人々がこのまま潤った生活を続けていけるとは想像ができなかった。科学的根拠はなかったが、やはりその予感は正しかったのか、と思わずにいられない。この国だけではなく地球全体の生活は年々潤ってきているように見えて本当は死滅に向かっている。人間の住むところで感じずに済むだけの話なんだ。

夕方ヒーターをオンにしながら思う。自然は暑さや寒さを通して何かを教えようとしているのに、なぜ人はそれを無視して、暑ければ冷房を、寒ければ暖房をと快適さばかり求めて、自然から学ぶことをなおざりにするのか。冬はとにかく眠い。野菜は育たない。本当は秋までに蓄えた食料を細々食べて沢山眠って休む時なんだ。それなのに、人は相変わらず働き続け、正月太りして、今度はそれを解消するのに運動をはじめる。現代人の暮らしぶりはなんて愚かで不健全なんだろう。自然に寄り添って暮らしていれば人はもっと心身ともに健康で幸せなのに。


Michelina |MAIL