My life as a cat
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2018年05月11日(金) フランスでアトリエ・タタンのチーズケーキを作る

日本人がいうところの"チーズケーキ"はフランスではなかなか見ない。そもそもその材料となるクリームチーズというものはパンに塗って食べるものという認識しかないようで、KIRIのようなやたら柔らかいものしか売っていない。Philadelphiaはあるが、フランス人用なのか柔らか過ぎて、これでチーズケーキを焼くとエアリーなのが出来上がる。フォークが刺さらないような固いのが好みだから満足が行かない。イタリアでも探してみたが、やはりどれも柔らか過ぎる。もうそれならクリームチーズを作ってみようではないか、と材料を買いに走る。が、ここでもまた問題が。そこらへんで普通に出回っている生乳の脂肪分は最高3.6%程度、生クリームは30%(これは泡立てるのも大変)だ。仕方ない、これでやってみようと挑戦。生乳、生クリーム、フロマージュブランを合わせて40℃まで温めてレモン汁を入れる。が、うんともすんとも分離しない。もっと脂肪分が高い物を使えばこれで分離するのだろうか。仕方なく50℃まで上げる。とこの辺りで分離し始めた。結局60℃まで上げて布で濾してぎゅっと絞った。1ℓの生乳と200mlの生クリーム、大さじ2のフロマージュブランから出来たクリームチーズ200g。温かいクリームチーズを味見しながら、特に美味しくないし思ったほど沢山出来なかったとがっかりして冷蔵庫にしまった。

ところが翌日冷蔵庫で冷えたクリームチーズをもう一度口に入れて驚いた。しっとりクリーミーでとびきり美味しいチーズとなっているではないか。「アトリエ・タタンのチーズケーキ」を作ってみよう。クリームチーズとマスカルポーネとサワークリームとバニラビーンズ。サワークリームというものはこちらで見かけない。フロマージュブランで代用。全部混ぜて焼くだけ。焼きたてのふわふわを冷蔵庫に入れてまた一晩。

こうしてなんとか出来上がったチーズケーキは好みのフォークがなかなか刺さらないのとは違うが、かといってエアリーというわけではない。ほろほろと手で崩れるがしっとりクリーミーで目を見張る美味さだった。

チーズ作りで出来る副産物のホエイ(乳清)はちょっと酸っぱいポテトスープに使う。どことなくチーズ風の香りが漂うぽってり濃厚なスープ。チーズケーキでエネルギーを使い果たしたので、夕飯はパンとスープだけという"ハイジの山小屋風"とした。


Michelina |MAIL