My life as a cat
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2018年02月02日(金) リュカの誕生日パーティー

知り合ってすぐにマノスクに引っ越してしまったアナと旦那さんのジャン=クラウドがこちらにやってきてランチを共にした。アナは新生活にあまり馴染めていないようで、新しく得た仕事も人間関係のトラブルで辞めてしまったという。妙にこちらに頻繁に帰ってくるなぁ、と思っていたら乳癌治療の経験があって主治医のところに検査に通っているというではないか。アナはいつ会っても生き生きとしていて楽しそうだった。豪快に食べては愉快に踊って底抜けに明るい。そして他人に対しての思いやりや慈悲深さが人一倍あった。わたしの経験ではこういう突き抜けた明るさを持つ人は必ず人生の中で一度苦しみ抜いたようなことのある人だった。一度死に直面した人間だからこそ笑って生きる以外にないと知っているのかもしれない。ジャン=クラウドはこの辺りのフランス人には珍しく無口な人だが、黙っていても心の温かさが体中から染み出てるような人だ。山道の路肩で用を足している人の背中にクラクションを鳴らして脅かしたりする茶目っ気もある。二番目の奥さんを病気でなくしたというからアナのこともさぞかし心配だろうと想像した。わたしは彼らが大好きだ。アナの検査結果が良好であることを祈るばかりだ。

冗談めいた話の流れでリュカの誕生日パーティーをしようということになった。しかもリュカがみんなを招待しわたしが和食を振る舞うというもの。まぁ″いつか和食を振る舞います″なんて口約束だけで果たせてなかったから良い機会だと重い腰を上げた。メニューは主役のリクエストでお好み焼きとお寿司と大学芋に決定。さて、材料は代替品を駆使して作る以外にない。まずは紅ショウガ作り。千切りにしたしょうがを赤梅酢に漬ける。オタフクソースはブルドックソース、醤油、ケチャップにハチミツを混ぜる。寿司酢は米酢がないのでリンゴ酢で代用。これはとても美味しく出来る。ごはんはストウブのような圧鍋を使えば硬水でも問題なく美味しく炊ける(引っ越しの荷物が届かず、その辺にあった薄い鍋で炊いたごはんの味はもう思い出したくもないというくらい違う)。ネタはスモークサーモンとアヴォカドとクリームチーズ。手毬寿司にした。小葱を振りたかったがなかったのでディルで代用。こちらのサツマイモは中がオレンジで水っぽい。それでもなんとか味だけはちゃんと大学芋となり、お寿司とお好み焼きは思ったよりずっと美味しく出来た。みんな気に入ってくれて、あちこちから手が伸びてお皿がすぐに空になったのは嬉しいことだった。食後のデザートはリュカが作った″丸暗記ティラミス″。デザートはティラミス一筋で絶対浮気しないというくらい大好物なのだ。一度作り方を教えたらレシピを丸暗記してしまった。″マスカルポーネを250gに砂糖を40g混ぜてね・・・″という説明を聞きながら食べた。

食後は通例通りみんなガタガタ動き出す。なんでこうも食後じっとしていない人ばかりなのか。みんなよく食べるのにスリムな理由が理解できる。本日は卓球大会であった。わたしはお腹を満たしてしまったらしばらくは踊ったり走ったりするのは無理だ。一体この人たちの体はどうなっているのだろう。


Michelina |MAIL