DiaryINDEX|
past|
will
リコッタチーズを持て余して、今更ながらあの″世界一の朝食″Billsのリコッタパンケーキのレシピとやらを試してみた。朝食にパンケーキなんて、これから登山するとかそんな日でない限り避けたいものだ。今日は登山の予定はない。ランチにヴァレンシアの典型的な朝食、蕪ごはん(蕪とリゾット用の米、塩、オリーブオイルで普通に炊いたもの)を茶碗一杯食べて、それから挑んだ。生地に砂糖は入らなくて、リコッタチーズが入ってて、卵白を泡立てるのが普通のと違うんだな。かなりふわっとした感じに仕上がる。ハニーコームバターと粉砂糖をたっぷりかけて完成。
リュカと共通の感想。
「フツウだ。おいしいけど・・・すごくフツウだ」
リコッタチーズを混ぜるコスト、卵白を泡立てる手間が味や口当たりの良さとかに貢献していない感じがする。パンケーキというものを極めた人ならこの違いが解るのだろうか。わたしの生活習慣の中でパンケーキというものをどこで登場させるべきか、と考えると首を捻ってしまう。デザートにしては小麦粉もっさりだし、朝食にしては甘すぎるし、アフタヌーンティーの習慣はないし。パンケーキというものはほぼ馴染みのない食べ物なのであった。それにしても!とやっぱり思う。これが″世界一″だなんて大袈裟な。ハリウッドのスターなんてやっぱり生活とか金銭感覚とかが浮世離れしてて、じっくり味覚を養うような機会にはなかなか恵まれないのかもしれない。
わたしの″世界一の朝食″といったら、エズ(Èze)村で眼前に広がる地中海を独り占めしながら食べたスーパーマーケットで買った何の変哲もないクロワッサンとコーヒーかな。トランジットで詰め込まれたモスクワの空港ホテルにて、フロア外に出してもらえず空腹で空腹でやっと朝になってありついた機内食みたない黒パンと苺ジャムと紅茶も捨てがたい。
他人の味覚のことなど書いときながら、わたしだって似たようなものか。結局空腹とか一緒に呑みこむ美味しい空気が朝食の一番のスパイスだということだ。