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2017年12月04日(月) |
ファッロのパンを朝食に |
先日サンレモのカルフールで見かけて購入したスペルト小麦粉(イタリア語でFarro(ファッロ)と書かれていた)でパンを焼いた。調べたところによると、グルテンがすぐに繋がるので普通の小麦粉のようにがしがし捏ねる必要がないとのこと。まぁ、とりあえず、といつも朝食用にテキトーに焼いているパンと同じようにやってみた。
・スペルト小麦粉 250g
・塩 4g
・ドライイースト 2g
・水 175g
これを全部混ぜる。確かに水と混ぜるとすぐにスムースになる。15分置いて折りたたむ。これを3回繰り返したら冷蔵庫に入れて寝る。朝丸め直してボウルに入れて二次発酵させて焼く。
見た目は粗雑な"捏ねないパン"の代表格のようになった。しかしお味が!なんなんだろう、このチーズを練りこんだような風味は。美味しすぎる。スペルト小麦というのは現在の普通の小麦粉の原種で手をかけなくてもぐんぐん育つ強い種のようだ。古代に発見されながらなぜ現在普通小麦のように普及していないのか。また調べてみる。11世紀に普通小麦の栽培がうまくいくようになって消えていったという話。イタリア料理のバイブル"シルバースプーン(原書:Il cucchiaio d'argento)"のレシピを眺めるとスペルト小麦(挽いてないもの)はよく使われている。日本の米粉のような、"代表格ではないが、買う人は確かに存在する"という位置付けなのだろうか。焼きたてのパンにバターを乗せてじわりととろけたのは最高に美味い。が、いっぽう健康のためにもバターを控えたほうがいいだろうという気持ちも働く。朝食は小さなおにぎり二つというのが日本での定番であったが、まともな海苔が手に入らなくなった今、これがバターを塗ったパンに取って変わられた。「塩と海藻と米」が「塩と小麦粉と脂(時にはジャムという砂糖も登場する)」に変わったのだから考えてしまう。でも、このパンならなぜかすでにチーズ風味なのでバターを塗りたいという衝動が抑えられるのだった。最近は焼きおにぎりという選択肢もできた。ごはんにちょっと片栗粉と醤油を混ぜて焼く。オーソドックスなおにぎりに勝るものはないが、がっかりな海苔を思えばこちらのほうが余程いい。フランス人でも経済的に毎朝クロワッサンを食べられる人はなかなかいない。休日の朝やおやつに楽しむものなのだそうだ。わたしも彼らに倣うことにしよう。バターたっぷりのパンは週に1回くらいに控えるのがお財布にも体にもやさしいというものだろう。