DiaryINDEX|
past|
will
2017年10月12日(木) |
Le pire jour de ma vie |
夜に隣人でありリュカの親友であるナタリアがどたばたとやってきた。
「ドクターとのアポイントメントがあったから仕事を休んでバスで1時間ほどかけてそこまで行ったのに、行ってみるとレセプションでアポイントメントはないっていうの。そんなはずはない、と食い下がったけど、あちらは"ない"の一点張り。電話でアポイントメントを取ったんだからどう考えたって向こうがメモし忘れたのに、結局診察してもらえず、そのまま帰ってくる羽目になったわ。ついでに買い物を済ませてとぼとぼバスに停に向かって引き返したら火事で通行止め。待たされてやっとバスに乗りこんだら今度は子供がわいわいがやがやうるさくてバスを降りるまで延々騒がれた。極め付け、買ってきた脱毛器を使おうと思ったら、全く動かなかない。こんな最悪な日があるかしら。もうぐったりよ。これ、あなたにあげる」
とぶっきらぼうに紅茶を渡すとそそくさと帰っていった。はぁ、すごい話だなぁ。隣近所の人々の日常会話に耳を澄まして、まだ遭遇せぬ未来のため危険を予測して回避を図る。ドクターとのアポイントメントを取らずに済むように日々体に気を付けること。万が一アポイントメントを取った場合は出かける前に再度確認を取ること。
もっともこの国に住むことになった時にこう決めてきたのだが。
「どんな理不尽なことに遭遇しても生きてさえいれば幸運と思うこと」
日本では毎週金曜日のクロエちゃんの夕飯は大好物の焼カツオと決めていた。100円くらいのもので真空パックに入っているカツオのスティック。少しだけこちらに持ってきたのだが、久々にあげたら、今まで見たこともないすっかり野生動物のような顔つきで夢中でかぶりついていた。こちらにきてからかつおぶしの朝食はかりかりに、日替わりの海老や魚と野菜の夕飯はフランスやイタリアの市販のウェットフードに野菜を加えたものに替った。それでも文句ひとつ言わず喜んで食べてくれていた。しかし、口に出さないが本当は日本が恋しいのかもしれない。想像したらいじらしくて泣けてきた。子供とかペットとか自分の意志で飼い主も住むところも選べないんだもの。よく観察して気にかけてあげないといけないね。
(写真:あくびをするときにフワァ〜〜〜と声を発するところは飼い主の真似なのか)