DiaryINDEX|
past|
will
2017年08月20日(日) |
Lascia ch'io pianga |
料理はひとりでも大鍋でわっしわっしと大量に作るのが好きだったが、そうすると1週間くらはそのアレンジした料理なんかも考えて過ごさなければならなかった。家族が人間3人、猫2匹、犬1匹になったらそれをしても翌日はまた違う物を作れるのはいいものだ。クロエちゃんは新居では水道水を飲むのを拒んで天然水のみ受け付けるという変化があったが、食欲も戻ったし、慣れてしまったら屋根の上を散策し、屋根裏部屋へ上りひっそり昼寝をし、段差の多いこの家の暮らしをけっこう楽しんでいる。上下運動の好きな猫にとってこんな魅力的な家はないだろう。
ゴーヤチャンプルのコツ発見。ごま油をふんだんに大量に熱して、強火でゴーヤと豆腐をまるで半分揚げるかのようにちょっと焦げるまで炒める。味付けは塩。仕上げにかつをぶしをひとつかみ、醤油をさっと一筋。火を止める。
沖縄版の野菜炒めといった認識でいつもあり合わせで適当に作っていて、毎度どこか改善の余地があるような気がしていたのだが、とある料理の本にはっと目を見張るレシピがあったので忠実にやってみた。これだ、大量のごま油と強火。
昨夜スタジオを借りてやる恒例の音楽の会へ行った。この会が発足してから4年ほど、一度も欠かさず参加してきた。とっても好きな会でメンバーの方々ともそれなりに打ち解けていたので、もう当分は参加できないとなると寂しかった。大雪の日にコンサートのもぎりのボランティアに駆け付けたこととか、渋谷で行われたメンバーのリサイタルの後、みんなで学生向けのような安い居酒屋で鍋を囲んだことなど、多々思い出がある。しかし日頃仕事やら私生活やらで世界中をうろうろしている人が多いので、いつかフランスまで訪ねてきてくれそうな気もしている。
同じく発足当時からのメンバーで特に仲良くしていたフランス人の男の子にフランス暮らしのアドバイスが欲しいと仰いだ。
「なにがあっても怒らないこと」
だそうだ。お役所仕事や社会の仕組み、こういうことにいちいち腹を立てるとフランス暮らしは身が持たないらしい。
昨夜はドイツ系サウスアフリカンのメンバーの娘さんが来た。ドイツの大学へ行っているそうで夏になると両親のいる日本に帰国してひょっこり顔をだす。日本人とのハーフの世にも美しい女の子なのだが、話しても20歳そこそこと思えないほど聡明だ。少ない予算であれこれ旅したヨーロッパの町の話はとても面白かった。イタリアのオペラを習っていると聞いたので、強くリクエストし、その歌声を聞くことができた。
彼女がピアノの横に立ちヘンデルの"Lascia ch'io pianga"を歌い始めると場は一揆に静まり返った。映画カストラートで歌われていた。悲痛な魂をやさしく鎮めてあげるかのように聞こえる歌だ。本当に美しかった。彼女が歌い上げると拍手喝采だった。最後にこんな素敵な歌を聞けて幸せだった。