My life as a cat
My life as a cat
DiaryINDEXpastwill


2017年05月19日(金) 緑虫のディナー

緑虫かっ、ってつっこみたくなるようなひたすら緑色の夕飯。農園で採れたものを全部茹でたらこうなった。グリーンピース、スナップエンドウにアスパラガス。オリーブオイルと塩レモン、粗塩だけで完成。間に合わせに塩レモンを使ったけど、フレッシュなレモン果汁のほうがより良かっただろう。全部絶品だけど、中でもアスパラガスは輸入ものの硬くて水分の上がったのしか知らない身としては感動的だった。細くて頼りなくて儚い中に逞しい甘さを秘めている。アスパラガス狂のようなヨーロッパの人のことを今まで理解できなかったのは、自家製の採れたてを知らなかったせいだろう。

フランス人の旦那さんと日本人の奥さんが営んでいるカフェに久々に行ったら、どうも旦那さんがフランスに還ってしまったようだった。子供と奥さんを置いていってしまうのだから余程のことがあったのかと思うが、周囲の国際カップルを見ているとそういうパターンは少なくない。男性が女性の国へ行ってうまくやれる確率はその逆より低いということに気付く(わたしの周囲の話だけで実際のことは知らないが)。これがアメリカやオーストラリアのような移民大国なら話は違うが、日本のようなグローバリゼーションなんて掲げるのみで精神的には閉鎖的なところではどんなに言葉をおぼえても結局のところ孤立する。そこに家族への責任感と職を得る難しさなどで精神的にしんどいのかもしれない。みんなパートナーとの関係には大きな問題はなく、決定的な事件があるわけでもないのに、ここで幸せになれない(日本オタクのような人種でない限り)。旦那さんの腕は確かで彼の作るものは全て絶品だった。どこか腑に落ちない暮らしの中で心の穴を埋めるように真剣に料理に打ち込んでいたのかもしれない、などと勝手に想像して切なくなった。彼が去った後奥さんが淡々と引き継いでいるが、味が落ちた、と言わざるを得ない。脱力感が料理に乗り移っているのが明白で、食べながら哀しくなってしまった。

(写真:今日のにゃんこは2匹!)









Michelina |MAIL