My life as a cat
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2017年02月19日(日) かもめのパン

先日初めて顔を合わせたばかりのジェフリーのママのマキコさんと友人のオーケストラのコンサートを観に出かけた。わたしの母よりも年上だし、と少し緊張していたのだが、本当に明るく気さくで、年上という立場で上から物を言うのではなくて、友達同士のように日常の些細なことを話してくれるのでとても楽しかった。こちらが怖じ気ずかないような心遣いなのか、それが本当に素なのかは定かではないが。とてもアクティブであちこち出かけているし、LINEだってふつうに使いこなす。それなのに、46年ぶりに帰ってきた日本では、年齢制限のため部屋が借りられなくて大変な思いをしたのだという話を聞いてぞっとした。理由はお年寄りに貸すとボケが始まっていたりして、火災などの心配があるからだそうだ。こういう話を聞くと人間を実質的なスペックだけで決めつけることの多いこの国が嫌になる。性別とか年齢とかでわかるのは傾向でしかないのに。職探しの履歴書にだって写真、年齢、マリタル・ステイタスを記入する欄があってすでにうんざりしている。欧米諸国の人種差別問題は根強いらしい。日本ではそれに取って変わって年齢差別、性差別が根強い、と思う。

コンサートはシベリウスやドヴォルザークの曲を演奏していた。静かながらも確かにそこに存在する自然の息吹を思わせるようなメロディーのものばかりだった。

映画「かもめ食堂」に登場したフィンランドのシナモン・ロールを作ってみた。これといった大きな展開のないこの映画のいちばんのハイライトはシナモン・ロールを焼くシーンではないか、と食いしん坊のわたしは思っているのだが(正直、それ以外の食べ物はなんだかただのおもちゃの模型のように見えて食指が動かなかった。おにぎりとか焼き鮭なんか、うちのお母さんのずぼらなやつのほうがよっぽどいいや、と思った)。カルダモンとシナモンが部屋いっぱいに香って、焼いてるだけでも幸せ。もちろん、焼きたて頬張るのは最高だ。


Michelina |MAIL