My life as a cat
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2015年04月29日(水) ふたつのベルリン

″Der Untergang(邦題:ヒトラー〜最期の12日間〜)と″Fury(邦題:フューリー)を立て続けに観たのはたまたまだったが、第二次世界大戦中、四方八方から敵に攻め入られるベルリンのドイツ軍と、そこに連合軍として攻め入るアメリカ軍の様子を両方の角度から観ることとなった。前者は醜男であるヒトラーの最期を描いた淡々とした実話ベースのストーリーであるのに対して、後者はブラピを主役とするアメリカン・ヒーロー・ファンタシーだ。ふたつの映画の主人公であるリーダーに共通しているのは、敗北がすぐそこに見えていても最後まで降伏しなかったことだ。青々とした美しい森林や歴史の積み上げられた町並みが見るも無残に破壊され、焼け野原となっていく様子は脱力する以外にない。なぜ戦争が起こるのか、戦争によって誰にどんな利益があったのか、誰かに幸福をもたらしたのか、考え尽くしても解らないことだらけだ。

映画を観ている横でクロエちゃんが宙を飛ぶ虫を追いかけて遊んでいた。嬉々として追いかけて遊ぶだけで、本気でない。捕まっても虫はぴんぴんと生きているので、奪い取って外に逃がす。

おなかの満たされた動物は穏やかだ。人間もおおかたは同じだ。飢えた時代だったのだろうか。しかし軍需に費やすお金があるのだ。国のお金は軍需産業に注ぎこまれ、国民は飢えながらその国のために命を捧げる。この循環の中で得をするのは。。。おなかが満たされればそれで笑って暮らしていける平凡な人々ではない。


Michelina |MAIL