My life as a cat
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2015年02月15日(日) 芥藍

芥藍(カイラン、英名:Chinese broccoli)の初収穫。近所のスーパーマーケットではなかなか売っていない野菜は自分の小さなファームに種を撒いてみたりしているのだが、これは簡単にすくすくと育ってくれた。間引きと水やり3か月でやっと口に入った。シンプルに中華料理の定番の一皿のように、蒸した芥藍にオイスターソースを垂らして、ガーリックを炒めたごま油をじゅわりとまわしかけていただいた。蕾のところに苦味があるが、茎のほうはとても甘い。ごはんが進むね〜。

美容院は行きつけがあって、担当の方とは″適当に整えてください″くらいの会話で髪に鋏が走るくらい長年の付き合いだ。彼女に最近使い始めた″オイルシャンプー″について相談した。これを使うとパサパサの艶なし髪とは無縁なのだが、髪がぽってりと重く、櫛もよく通らない。冬のか弱い陽を見ると″逃すものか!″と勇んで飛び出していく身としては、髪にオイルが付いているというのが少し気がかりだった。彼女の意見はやめたほうがいいとのことだった。

「わたし達の世界ではまず肌に付くものは″オイルフリー″というのが基本なんですよ。オイルは酸化して肌が黒ずんでくるといいますからね」

オイルの化粧落としなどもよく落ちるが肌のことを考えるとおすすめできないそうだ。納得してしまった。今あるものを使い終えたら次はオイルフリーのに変えよう。

髪を切ってもらう間はいつもこんな相談を持ち掛けたりする。常に彼女の意見を鵜呑みにするわけではないけれど、毎日それと関わってるプロフェッショナルの一意見はとても参考になる。

ふと北野武の書いた″作法″についてのこんな記事を思い出した。

料理人に会ったら料理のこと、運転手に会ったらクルマのこと、坊さんに会ったらあの世のことでも何でも、知ったかぶりせずに、素直な気持ちで聞いてみたらいい。自慢話なんかしているより、ずっと世界が広がるし、何より場が楽しくなる。 〜(略) 井戸を掘っても、誘い水をしないと水が湧いてこないように、人との会話にも誘い水が必要なのだ。どんなにワインに詳しくても、ソムリエにワインのことを語ってはいけない。そんなことをしたら、ソムリエは何も大切なことを教えてくれなくなる。「このワインはどうしてこんなに美味しいの?」と、聞くべきなのだ。

正にこれ!ネットでも何でも調べられることでも、見ず知らずの人の書いたことではなくて、目の前にいる人の生の声はどんなに大きく響くことか。だからちょっと見聞きしただけでもう全てを知ってるなんていう気にならないで、目の前のプロフェッショナルに聞いてみると、新たにもっと良い情報を入手できたりするものだ。なにより相手も自分の専門分野を嬉々として話しているのだから、聞かない手はない。


Michelina |MAIL