My life as a cat DiaryINDEX|past|will
毎朝のことで見慣れた黒柴のクロとおじいさんの朝の散歩風景が今日そこにあることが特別に感じられるのは、昨日クロが電車に轢かれそうになったせいだろう。ふたりは毎朝線路脇の休憩スペースにあるベンチに腰掛けて通勤する人々を見ていた。ところが昨日はおじいさんの姿がなく、クロがひとりで線路をうろついていて、そのうち遮断機が降りた。電車が迫って来た時、こともあろうにクロはレールの上にいた。大声をあげて懸命に追い払おうとするも、きょとんとこちらを見ていてそこから動かない。耳が悪いのだろうか。電車がぐんぐんと迫ってきて、数秒後に起こり得る悲惨な光景が脳裏を過った時、クロがのろりのろりとやっとレールから降りた。電車は30mくらいまで近寄っていたと思う。あまりにもの恐怖と大きな声をあげたせいで脱力してショックを受けたままなんとか会社に辿り着いたのだが、同僚に話していたらどっと体の力が崩れ落ちて涙がぽろぽろと出てきてしまった。
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