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2014年03月22日(土) |
Because I am a girl |
PlanというNGO団体が推進する″Because I am a girl"キャンペーンのチャリティーコンサートへ行ってきた。本日の演目はオペラ「フィガロの結婚」。既婚者の伯爵が浮気を試みて妻を悲しませ、最後には深く反省し妻の元に帰るというはなし。妻の寂しさを唄った"Dove sono i bei momenti(楽しい思い出はどこへ)"は、字幕を見なければ理解できなかったが、絶対と信じた愛を失っていく時の胸の疼きが悲鳴のように切ない響きを放って、心を抉られた。愛は冷めるということがいつの時代も同じなら、終わらない愛を信じるということもいつの時代も同じ。どんなに文化が進化しようとも、それでも″信じる″人間の生命力のようなものは変わらない。
コンサートの収益金の半分はPlanに寄付され、不当な扱いを受けている女の子達の教育や安全な水の確保に使われる。ちょっとした予習として7人の有名作家やジャーナリストが現地へ赴き、取材して、実話をもとに書かれたという短編集″Because I am a girl"をざっと読んだ。作家は錚々たるメンバーで、角田光代さんが日本語に訳している。以下Amazonのアウトラインを抜粋する。
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[著者]
ティム・ブッチャー(Tim Butcher)
『デイリー・テレグラフ』紙の元海外特派員で現在はジャーナリストとしてノンフィクション作品やルポを執筆している。
グオ・シャオルー(Xiaolu Guo)
小説家、映画監督。ロカルノ映画祭金豹賞を受賞した『中国娘』やクレテイユ国際女性映画祭で最優秀フィクション賞を受賞した『How is Your Fish Today?』などの作品がある。
ジョアン・ハリス(Joanne Harris)
小説家。ホワイトブレッド賞最終候補作で後に映画化された『ショコラ』をはじめとして『ブラックベリー・ワイン』、『1/4のオレンジ5切れ』(以上、角川書店)などの著作多数。
キャシー・レット(Kathy Lette)
小説家、コラムニスト、脚本家。『渚のレッスン/ハイスクール・グラフィティー』(近代映画社)など著作多数。小説は14ヵ国語に翻訳され、2作は映画化もされている。
デボラ・モガー(Deborah Moggach)
小説家、脚本家。『チューリップ熱』(白水社)をはじめ著作多数。映画『プライドと偏見』では脚本を手がけ、BAFTA賞候補となった。
マリー・フィリップス(Marie Phillips)
人類学とドキュメンタリー制作を学んだのち、テレビ局の調査員、フリーの書籍販売人として働く。『お行儀の悪い神々』(早川書房)著者。
アーヴィン・ウェルシュ(Irvine Welsh)
小説家。映画化された『トレイン・スポッティング』は世界的ヒットを記録した。ほか多数の著作をもつ。
[訳者]
角田光代(Mitsuyo Kakuta)
1967年神奈川県生まれ。1990年に「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。その後『対岸の彼女』(直木賞)、『八日目の蝉』(中央公論文芸賞)など著作多数。近刊に『かなたの子』(泉鏡花文学賞)『曽根崎心中』『空の拳』など。
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ラクダと引き換えに嫁にいくとか、性器切除とか、ひたすら働かされて教育の機会を与えらないとか、もっと酷いと生まれた瞬間に窒息死させられるとか、人身売買されるとか。なぜなら女の子だから。先進国には女の武器を最大限に利用してのし上がるような逞しいのもいるけど、生まれつき貧困と宗教と家族にがんじがらめにされている女の子達はあまりにも無力だ。教育を受けて、好きなことや好きなひとを自分で選び取れるようになってほしいな。
(写真:Planのパンフレットの表紙。なんとも愛らしい)